松戸まつど
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スポーツ 2021年12月22日

続・Share Your Light ~あなたはきっと誰かの光だ~

さて前回の記事で、松戸市中央公園でのセレモニーを終え旅立った『松戸市の火』は、同日(8月18日)市原スポレクパークへ向かい、そこで同じく各地から集まった県内54市町村の火がひとつになりました。
残念ながらこちらの取材はできませんでしたが、その後の千葉ポートタワー前広場での点火セレモニー・出立式へ行くことができました。


パラリンピック聖火リレー 千葉県聖火フェスティバル
公道にて聖火リレーを行う予定が中止になり、130名の聖火ランナーによる点火セレモニーへ変更。セレモニー終了後、開催都市である東京都に『千葉県の火』を送り出す出立式が行われました。

「千葉県の火」の到着を待つ聖火皿

松戸から電車を乗り継ぎ、会場のポートタワー前広場に着くと、オリンピックの時と同じく聖火皿がドン!と出迎えてくれました。が、よく見ると色が違います。こちらはピンク色が強い感じですね。桜ピンクと言うそうです。

程なくして準備が整い、まず千葉市立特別支援学校の方々がステージへ上がり、聖火ランナーのトーチへ点火してトーチリレーが始まりました。オリンピックの時と違って、複数のランナーがステージへ上がり、受け取る方も複数で、皆さん楽しそうに笑顔で聖火を繋いでいきます。

千葉市立特別支援学校の皆さん

トーチリレーがスタート!

今回も、ひとつの区間が終わると聖火は大切にランタンへ一度移され、次の区間の準備を待ちます。

次の第2区間の聖火ランナーは車イスで登場。付き添いの方と一緒にステージ上へ進み、トーチを渡され聖火を受け取りました。そしてポーズを取り、また同じように次の方へ渡していく。

他にも盲導犬と一緒の方や、義足の方、電動車イスの方、それぞれに素敵なポーズを披露して周りを笑顔にしていきます。

最後は学生団体「おりがみ」と、特別支援学校の生徒と卒業生の交流団体の方々が聖火皿を囲み皆で点火。県内54市町村から集められた火が、ランナーたちの手を渡りここに灯されました。
今朝松戸で採火された火もここに入っているのだと思うと不思議な気持ちになりますね。

熊谷千葉県知事

式典の終わりに熊谷知事が
『54市町村それぞれの地で障がい者の方や子ども達が色んな方法で採火しましたが、“縄文式”の火起こしが多かった。この縄文時代は世界中でも特徴的で、障がいを持った大人の骨が見つかっています。体に障がいを持った人が村の中で大人に成長している、日本という国は古くから支え会う共生社会だったと思われます。』
と話すと、周囲の式典参加者も笑顔で頷き合っていました。

出立式。千葉県代表ランナー・花岡伸和さん(左)

「千葉県の火」が東京へと出発します


偶然、会場内で松戸市新松戸から参加された男性がいらっしゃったので、お話を聞くことができました。
松戸市新松戸在住・Aさん「一般公募で応募し当選してとても嬉しかったです。やはり公道を走りたかった気持ちはありますが、終わってみれば参加できたことがとても楽しくて、参加して良かったです。色んな方に囲まれているうちに障害の有り無しなんて関係なく普通に思えてきたので、パラリンピックを観ながら周りの人にも“色んな人が居て普通なんだ”ということを伝えていこうと思うようになりました。」
残念ながらお写真は遠慮されるとのことでしたが、松戸市から参加された方とお会いできて、とても嬉しく思います。
“色んな人が居て普通”。障害と聞くとつい特別だと見てしまいがちですが、車椅子の方や義足の方、皆さんの楽しそうな笑顔に引き込まれ、本当にそうだと感じました。パラリンピックをきっかけに皆がそういう思いになれると良いですね。

ランナーさんにインタビュー
セレモニーに参加された方に後日、取材をしてきました。

点火セレモニーに参加した金子さん

お話を聞かせてくださったのは、柏市西原にある「和風ダイニング わっ嘉」のオーナーで料理人の金子淳一郎(かねこ じゅんいちろう)さん
金子さんは交通事故で車イスを使うようになりましたが、現在も凄腕の料理人。車イスの人が来店しやすいようにと、バリアフリーのお店を3年前にオープンされました。

―応募したきっかけを聞かせてください
金子さん「車椅子の私でも料理人をやっています。動こうとすれば何でも出来るということを他の方に伝えられたらと思いました。」
―ステージに上がってどうでした?
金子さん「コロナ禍なので参加することに少し複雑な気持ちでしたが、楽しかったです。」
―この経験を通して伝えたい事はありますか?
金子さん「近くの小学校の通学の見守りをしているのですが、車椅子の人にどう声をかけたり接したりすれば良いのか皆知らなくて、最初は戸惑うんですよね。それはなぜか?車椅子の人が何が出来て出来ないのかを知らないから。接する機会が無いので当たり前ですよね。なのでもっと車椅子利用者が外に出て、どうすれば良いか考えるきっかけになれば理解が深まり、一緒の空間にいることが普通になると思うのです。まずは同じ空間で過ごすきっかけに、僕の店に来てください」

金子さんのお店「和風ダイニング わっ嘉(柏市西原)」

まずはお互いに理解を深め合うことが大切。本当にそう思います。


大会のボランティアさんにもインタビュー
さて、ここまで聖火式や採火式について書いてきましたが、市内在住でボランティアとして関わった方からお話を聞くことが出来たので、そちらも載せたいと思います。
お話を聞かせてくださったのは、松戸市にお住まいの中野さん

ボランティアとして参加した中野さん

―ボランティアに参加しようと思ったきっかけは何ですか?
中野さん「2012年ロンドンオリンピックの時に沢山のボランティアが居て成功したという事をテレビで観て、東京でオリンピック開催が決まったら、何らかの形でぜひ参加したいと思いました。」

―面接があったと聞きましたが?
中野さん「2019年5月に、ボランティアの採用面談に行きました。グループでの作業や、2人1組での面接などがありました。語学力より協調性や積極性を重視されたような気がします。」
―講習会もあったそうですね
中野さん「2019年11月に講習を受けました。オリンピック・パラリンピックの歴史やボランティア、フィールドキャストの心得などでした。ただその後は新型コロナ感染拡大のため、オンラインの講習だけとなりました。その間に活動場所と役割が決まり、私は幕張メッセでイベントサービスの担当となりました。」
―今回参加してみてどうでしたか?
中野さん「まずはオリパラともに開催されて、選手が参加出来て本当に良かったと思います。当初私が配属されたのは観客への対応やチケットのチェック等でしたが、無観客試合となったためその活動がなくなり、他の部署で活動する事になりました。パラリンピックも同様な流れでした。」
―困り事などはありましたか?
中野さん「開催反対の声がある中、ユニフォームで現地へ向かうのでなかなか緊張しました。海浜幕張駅で沢山のユニフォーム姿を見てホッと安心したのを覚えています。食事会場も休憩所も、実働場所から遠かったので、オリンピックの初日は往復だけで疲れました(笑)」
―終わってみて感想は?
中野さん「パラリンピックではテコンドーの会場担当で、障がいのある選手達の並々ならぬ努力を垣間見る事ができて良かったです。ボランティア仲間が、各所で合間に折紙で鶴や花を作ったり、会場をデコレーションしたりして積極的にその場を盛り上げていました。年齢・性別を超え、初めて出会った人同士できちんと楽しく役割を全う出来たのはとても素晴らしい経験でした。今後とも何か機会があれば、気力体力に合わせてボランティア活動に参加したいなと思っております。」

沢山お話を聞かせていただき、ありがとうございました。


今回の東京オリンピック、パラリンピックですが、自国開催というのは子ども達にとても夢を与えるものだったと思います。テレビ等で放送を見ていた子ども達の中から、将来の選手やボランティア活動をする人がいるかもしれませんね。
水村 和香

水村 和香 (みずむら よりか)

結婚で大阪から松戸に来て25年。中学で始めた女子サッカーの縁で松戸市サッカー協会女子委員長をしています。かつて「まつど観光大使」の活動をしていた中で感じた松戸の魅力をもっと発信したいと第1期市民ライターに応募。サッカーのコーチや防犯活動、子ども食堂の代表もしながら周りの小さな魅力を発信して行こうと今日も自転車で走り回っています。

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