松戸まつど
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2022年2月1日

まつどブランド 極み輝く『矢切ねぎ』~生産編~

冬ですねぇ、、あ~寒い!こんな寒い日に食べたくなるのがお鍋料理。熱々なだけでご馳走ですよね。
皆さんはお鍋に何を入れますか?お好きなお肉や魚をメインにして、あとは白菜や豆腐でしょうか。
そうそう、忘れてはいけないのがねぎですね。
ねぎにはアリシンと言う成分が含まれており、殺菌効果や血行促進、疲労回復効果があると言われていて、寒いこの季節の風邪予防にもピッタリの凄い食材。
実はそんなネギの収穫量、出荷量は千葉県が日本一だったりします。そして松戸はブランドねぎの一大産地なのです!
以前の記事であじさいねぎがありましたが、あじさいねぎは葉ねぎで見た目も細くしなやかな緑色。これに対し矢切ねぎは白い部分が長くて太い“根深ねぎ”の一種で、見た目も全く違います。

松戸の特産のねぎ2種

あじさいねぎ(上)と矢切ねぎ(下)

今回はこの寒い時期に甘さが増して美味しくなる、松戸のふるさと納税の返礼品にもなっている矢切ねぎが、どのように育てられているのかを紹介して行きましょう。

赤ちゃんとご対面

伺ったのは矢切地区で300年以上続く農家として矢切ねぎを生産されている『カネキ近藤農園』
矢切地区は、皆さんご存じの某演歌に歌われた渡し船で有名な地。松戸市の西端、6号線から江戸川に沿った北総線の手前辺りの地域で、この冬の時期には富士山がとても綺麗に見えます。

スカイツリーと富士山が見えます

実は、取材したいとお話をさせて頂きOKを頂いたのは数年前。近藤さんと色々と打ち合わせしていましたが、なかなかタイミングが合わず。ようやく今回数年越しで実現し、2021年6月1日、素敵に晴れ渡ったこの日に畑にお邪魔することが出来ました。

近藤 泰久(こんどう やすひさ)さん

指定された畑に着くと、待っていた近藤さんが『これ見てくださいよ、小さいでしょう』と抱えて見せてくださったのが、4月10日に蒔いた種から成長した苗。“矢切ねぎの赤ちゃん”です。

近藤さん『本当はもう少し長いのですが、そのままだと植える時に折れてしまうので少し上をカットしてあります。』
記者『え?カットするのですか?どうやって?』
近藤さん『手作業で切り揃えています。』
記者『植える前から大変な作業なのですね。』
近藤さん『そうですね、苗もですが土の方も。しっかり栄養が取れるように良い土を作ってやらないといけません。良いねぎは土で決まると言って良いかもしれませんし、農家ごとで配合や種類が違うのでその辺りで違いが出ます。』
うーん、やはりまず土が重要なのですね。
近藤さん『さぁ作業しますよ。』と言われて見ると機械で畝を作っています。結構深く掘り下げ、土が両サイドへと押しやられていく。

近藤さん『この深い溝のある畝が矢切ねぎには不可欠なんですよ。』
と教えてくれました。
畝を作り終えたら肥料を蒔き、苗を迎える最後の準備。

肥料を蒔き終えたら、溝を作る道具を使って苗を植える道を作っていきます。

畝の底に細い溝を作っています

え?ここに植えるの?逆(高い方)じゃないの?という顔をしていたら、
近藤さん『あー、収穫のときは反対になるからね(笑)。まぁ植えるのを見ててよ。』
と言いながら取り出したのが近藤さんの秘密道具。100円ショップやホームセンターで揃えた物だそうで、椅子と台車を組み合わせた手作り。これに座って苗を植える事で、足腰が痛くなるのを防ぎ効率を良くし、田植えと同じように後ろに進みながら丁寧に植え付けていきます。

近藤さん自作の秘密道具

なるほど!

うーん、種を蒔いたのが4月10日。植え付けまでの成長に約2ヶ月。良い土作りをし、そして畝を作り苗を切り揃えて植える。ここまででも大変な作業ですね。

手作業で切り揃えられた苗

愛情をこめて植えていきます

ひとしきり植え終わった近藤さんがお話を聞かせてくれました。
記者『今、植えているのは収穫はいつ頃になるのですか?』
近藤さん『12月か来年ですね。』
記者『え?だとすると、ねぎ畑って1年がかりなのですか?』
近藤さん『まぁそうなりますね。』
記者『ねぎと言うと薬味に切ったあと、根元を水に浸けておけばすぐ伸びるというイメージもあり、そんなにかかるとは(汗)』
近藤さん『それは青い葉ねぎですよね。うちのは土にしっかりと埋めてやらないと良いものが出来ない、手間のかかるやつなんです(笑)』
記者『すみません、大阪出身なので青い葉ねぎを思い浮かべ、白いねぎの事はあまり詳しくなくて。』
近藤さん『いや、松戸の人も“矢切ねぎ”を知らないと思いますよ(笑)。なので、この記事で少しでも松戸に矢切ねぎがあるって伝えてもらえれば嬉しいです。』
はい、伝えたいと思います。そして、この畑のねぎがどうなっていくのか見届けようと思いました。

成長した姿

さて時は過ぎ、次に畑に伺ったのは10月3日。秋晴れの爽やかな日でした。
近藤さんから『土寄せしますよ』と連絡を頂き、何をするのだろうとワクワクしながら畑へ到着。
おや?あの深い溝のあった畝のでこぼこが小さくなり、平らな感じになっていますね。

10月3日の畑の様子

近藤さん『これは既に3回、土寄せをした状態です。1回土寄せをしてから3週間ほど置いて、様子を見ながら2回目、さらに3回目を行います。今日はこれから4回目をします。土寄せはねぎを長く太く成長させるために必要で、最後は完熟させるためなんですよ。これをすると甘く柔らかくなるんです。』
と言いながら機械に手を掛け、ねぎとねぎの間を真っ直ぐ進んでいきます。
土を掘りながら進み、その土は左右に積み上げられていくので、ねぎの伸びた部分が土に覆われていきます。文字通り土を寄せていくのですね。

近藤さん『矢切ねぎは植えたところから上に伸びていくのですが、日が当たると緑色になるので、伸びてきた部分に土を被せ、また伸びてきたら土を被せる。それを繰り返しながら白いところを伸ばしていくのです。』
記者『大根みたいに下に伸びていくんじゃないんですね?』
近藤さん『ねぎは上にしか伸びませんよ(笑)。』

近藤さん『ほら、ここに白い髭みたいな根が見えますよね。根は植えたときから変わらない場所にあり、栄養や酸素を欲しがって外へ上へ伸びていきます。なので栄養を与えるためにも、土を寄せて被せてやるということは利にかなっているんですよ。』
記者『植える時に大きな畝を作り一番底に植えたのは、後からこの土を被せていくためだったんですね!』
近藤さん『その通り。もちろん肥料を入れ、その栄養たっぷりな土を被せていく事で、しっかりと栄養を吸ってじっくり育っていくんです。』

記者『そう言えば、矢切ねぎというのはここでしか作られないんですか?』
近藤さん『去年、鉄腕ダッシュ(日本テレビ)に出演した時にもこの話をさせて頂きましたが、矢切ねぎがここまで太くなる理由は、1年を通じての土の中の水分量が、他の土地と比べて比較的多いので成長に向いている、というのがあります。この地は市内の地形で見ると少し落ち込んでいて、水が流れ込んできます。その水が重要で、寒くなると土の水分が凍ってストレスを与え、ねぎは身を守ろうとして甘味を溜め込んで美味しくなる。それでこの矢切の土地、環境で育てたものを“矢切ねぎ”と呼ぶようになりました。』
なるほど、育てるのに適していたのでこの土地で栽培されているのですね。

土の中の水分量が多いことが、矢切ねぎの太さや甘さの秘密でした

記者『育てていて大変なことなどはありますか?』
近藤さん『台風!本当に台風は敵です!以前大型の台風が来たときには900坪のねぎが倒されてしまい、手直しをするのに大人3人がかりで10日はかかりましたね。』
記者『大人3人で10日?それは大変でしたね。』
近藤さん『本当に大変です。台風来ないで欲しいです。』

台風で倒れてしまった矢切ねぎ。1本1本手直しします。

近藤さん『他にも色々と天候には左右されます。水不足はもちろんですが、暑い時期にやっと雨が降ったときに喜んだのも束の間、次の日“真夏日”になると土の中の水も温度が上がってしまい、ねぎが煮えた状態になって最悪腐る、という悲しいことも起こる事がありますからね。』
雨が多くても、天気が良過ぎても困ることもあるのですね。

旅立ちの日に

12月22日。今日も素敵な晴れ!とうとうこの日がやってきました(涙)。
実は近くでサッカーを教えているので、11月20日に畑に寄り道をして写真だけを撮影。寒風にどっかりと立つねぎの姿は、凛々しく成長を感じさせるものでした。

11月20日の畑の様子

そしてそこから1ヵ月。更に逞しく立派に成長した矢切ねぎ達が、とうとう出荷の日を迎えました。
近藤さん『収穫していきますよ。』
と言って畑に入り、今までとは違うマシンで、ねぎの片側半分の土を削っていきます。
記者『機械を使うというので、一気に掘ると思っていました。』
近藤さん『土を寄せ上げているので土はそんなに固くなく、半分削ってあげればほら、この通り、、』
と、ねぎに手を掛けるとスッ、、と抜けていきます。

収穫の様子。1本1本、丁寧に引き上げていきます。

しばらくすると、畑には白くて長くて太い矢切ねぎが並びました。
あまりにも簡単そうに抜いていくので、記者も土を触らせて頂きましたが、固くなくホロホロと崩れる柔らかさ。

近藤さん『そしてこの葉を少し取ってあげて、綺麗な姿で出荷していきます。』
記者『葉を取ってしまうのですか?』
近藤さん『箱に入れるときに青いところばかりでは見た目も何ですし、うちはこの姿で出荷しています。』
記者『なるほど、でもここは手作業なので一番大変そうですね。』
近藤さん『そうですね、一本一本屈んで引き上げていくのは少し辛いです。でもここまで育ったねぎなので大切に、不要な葉を落として綺麗な姿で出荷してあげたいですからね。』

まるで子供を送り出すかのように大切に大切に収穫作業をされていく近藤さん。記者も6月から見続けたので、お嫁に出す気分で泣けてきます(涙)。
近藤さん『この畑の矢切ねぎ、本当に立派に育ちましたよ。重い!』と笑顔で抱えて見せてくれました。

すると近藤さんが『実は極(きわみ)と言う、もうワンランク上を作っているので出来たら連絡しますよ(ニヤッ)』と、意味深な笑み。
ええ、まだこれ以上太いものですか?(やっとここでタイトルの「極」が出てきましたね。)
そして年が明け1月、連絡を頂いた「極」がこちら。

1箱1万円の高級矢切ねぎ。
収穫を見せて頂いたねぎと同じくらいの物にもう一度土寄せをし、更に太く完熟させた最高級品だそうです。
予約販売になっていますので、お問い合わせしてみてください。

どこで食べられるの?

矢切ねぎは、ネット注文や直接買いに行けば手に入れることができますが、松戸市内で食べられる“お店”を教えて欲しいという話もあるので紹介させて頂きます。
【麺割烹 亀壱】 みのり台1丁目14-3  電話:090-4959-4343

麺割烹 亀壱「炎のねぎらーめん」

こちらでは、カネキ近藤農園の矢切ねぎを1本丸々使用した『矢切ねぎ強火炒め』、そして『炎のねぎらーめん』をシーズン終了まで提供しています。

時節柄、定休日や営業時間、予約など、ご確認の上でお出かけください。

【大勝 松戸店】
 松戸市本町7-17 AKBLD24 matsudo 1F 電話:047-308-3333
こちらは矢切の平川農園の矢切ねぎを使用。
『矢切ネギのネギ増し』『矢切ネギの焼きネギ』がラーメンやつけ麺のトッピングとして楽しめます。

矢切ねぎが豪快に使われています

トッピングにも

時節柄、定休日や営業時間、予約など、ご確認の上でお出かけください。

最後に

文章中にも書きましたが、矢切ねぎは土の温度が上がると腐ることもある、温度管理の難しい繊細な農作物です。寒いこの時期に甘味を蓄え美味しくなりますが、春が来る頃にはシーズンは終わります。
そしてまた種を蒔き、新たな1年が始まっていく。
松戸の地で大切に手間をかけ育つ矢切ねぎ。この記事をきっかけに知って頂けたら幸いです。
~つづく~
水村 和香

水村 和香 (みずむら よりか)

中学で女子サッカーを始め、現在は松戸市の小学生サッカーのコーチをしています。また小学生で始めたバレエが縁でジャズダンスグループの代表も。いつも自転車で松戸市内を駆け回る元気な観光大使です。体当り取材で松戸市の魅力を伝えます。

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