松戸まつど
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素敵な発見!2021年11月22日

コロナに負けるな!!!~「松戸コルコバード」JAZZを愛する人を幸せにする店~

まだまだ油断はできませんが、全国27都道府県に出されていた緊急事態宣言が解除されました。
 コロナ禍中のJAZZライブ
今年(2021年)の初め、松戸駅西口近くのライブ会場に出かけると……。
演奏者もマスク、客席との間はアクリル板で仕切られ、3曲ごとに窓を開けて換気が行われていました。
出演者のお話少な目、盛大な拍手にも「閉店時間厳守のためごめんなさい。」とアンコール演奏なし。

 佐藤まさみさん(ピアノ)と安田幸司さん(ベース)、藤井学さん(ドラム)のピアノトリオ     撮影:tak.iijima 

しかしその熱い演奏に、久しぶりにコロナ禍の停滞感から解放される一夜になりました。
今回は、昼が喫茶、夜はバー、コロナ禍の中でも安心してライブが聴けるジャズスポット、松戸駅西口徒歩5分「JAZZのお店 松戸コルコバード」を取材しました。

 笑顔あふれる練習会
 取材のお願いに訪問したのは緊急事態宣言中のまだ暑い8月のことでした。

プロ(この日はピアノとベース)と一緒に演奏できる催し

約束の時間より少し早く着くと、ジャムセッションと呼ばれるプロ奏者とお客さまによる演奏会が開かれていました。
終了後、マスターの「窓を開けてもらっていいですか。」に続いて聞こえてきたプロとお客さまの会話

「リズムばっちりでしたよ!」
「ありがとうございました。楽しかったです。」
「おどおどしながらやりました。」
「そうは見えませんでしたよ。」
「お元気で!まだ死ねないな(笑)」

マスク越しながら、お客さまの笑顔が確認できました。
全国のJAZZライブハウスで開催されているジャムセッションについては、今回の取材のきっかけにもなった6年前の記事をご覧ください。

 


徹底した店内のコロナ対策

松戸駅西口から約250m、千葉銀行松戸支店近く

ホームページには店内の定期的な換気アルコール消毒マイクやピアノ等への抗菌コーティングステージやテーブル間のアクリル板設置等の対策が表示されています。また「当面、定員を12名様迄で営業します」とありました。

お知らせの履歴を見ると「酒類の販売を19時まで、20時閉店」「終日自粛、20時閉店」から最新の「酒類の販売を20時まで、21時閉店」まで、目まぐるしく変わる自治体からの要請に対応していることが分かりました(最新情報を確認のうえお出かけください)。

ここからは経営者にお話を伺います。

 


 松戸にJAZZの拠点を

佐藤智光(さとうともみつ)さん

マスターの佐藤智光さん(69)さん
東京都(市ヶ谷)出身
ー 開業経緯を教えてください。
「仕事の関係で松戸に住んでいたこともあり、フルートを演奏するために、松戸のJAZZバーに出入りしていました。縁のある松戸にJAZZの拠点を作りたくて、平成21年にここ『コルコバード』を立ち上げました。今は埼玉県民で松戸に通っています。
ー  音響や防音設備等の設備投資もあり、開業は大変だったのではありませんか?
「会社経営の経験を活かし経営に携わっています。また、長年JAZZに関わってきましたので、コロナを除けばほぼ予定通りやってこれました。実はこの店、昔からのJAZZ仲間であり、建築や電気、音響にも明るいオーナーがいるのです。」

水の専門家だから水商売?

宇賀敦(うがあつし)さんはピアニスト

 オーナーの宇賀敦(63)さんは松戸市民。
「学生時代からJAZZピアノを弾いています。
勤務時は上下水道から河川まで水専門でした。
今は水商売です。」
この店、なんと!宇賀さん個人のオーディオルームだったそうです。
「20代の頃から知り合いで、一緒に演奏したこともある佐藤さんから『ここを店にしたら』と提案があったのです。工事費は案外安いですよ。

学生時代に工業デザイナーを志していた宇賀さんは建築に明るく、内装設計のほか、防音対策、壁の下地、排水などの工事も自分で行い、工務店への依頼は最小限にとどめたそうです。また最初のコロナ休業時に、椅子・テーブル・カウンターをすべて自作でリニューアルしたそうです。

工務店にレコード棚の高さを細かく指定

休日に収納付椅子、飛沫防止のアクリル板も自作


コルコバードを楽しむ方法

「JAZZを聴く人を増やしたい」と語る佐藤さん

ー ライブスケジュールは佐藤さんが組むのですか?
「開業して10年以上になりますから半分位は演奏者側から予約が入ります。後はこちらから声をかけます。何年もJAZZに関わっていますからね。」

― どんな店づくりを心がけていますか?
「JAZZを聴く人を増やしたいんです。プロのライブ会場としてはもちろん、愛好家が演奏を楽しんだり、技術を磨いてライブができるような空間です。開業以前は各地のJAZZバーを訪ねていましたので、ドリンクやフードの基本を押さえつつ、主役の音楽を楽しめるよう心がけています。オーディオの話はオーナーからどうぞ。

ホームページに「お好きなCDをお持ちください。バータイムにおかけします」と載っています。

 ー ハイグレードなオーディオが自慢とあります。
 「アナログのシステムはかなり古いものです。レコードプレーヤーは1972年から何と現在でも販売されているもので、古いマニアなら知らない人はいない有名なものです。まずは大きい音で聴いてください。良いレコードは滑らかで柔らかい音なんです。」

 特別なトーンアーム、ターンテーブル

 真空管のアンプによる柔らかい音

針を落とすと、レコード世代には懐かしい小さなパチパチ音。ライブよりライブな臨場感!サックスやフルートのような吹く楽器ではないピアノやベースまで、演奏者の息遣いが聞こえてきそう。まるで、腕を組んで静かに目を閉じる宇賀さんがレコードを演奏しているかのようでした。

ライブ休止の店も
 6年前に取材した「りべるて2」でも感染防止対策を施し喫茶店は通常営業していますが、今年に入ってライブを休止しています。

 令和2年、店頭にあった週末ライブの告知

 現在、左上は千葉県飲食店感染防止基本対策確認店の表示

 マスターの藤岡さんにお話を伺いました。

手作りの感染防止策

「昨年まではコロナ感染防止策を施しながらライブを開催してきましたが、今は休止しています。ここはお年寄も多い住宅地。街中と違って住民の皆さんの理解が得られないと難しいのです。『あそこ、コロナ禍の中ライブやっている』と言われたらお店をやっていけません。コロナが落ち着いたら必ず再開しますよ。」

40年以上変わらぬ美味しいコーヒーと、一度食べたら病みつきになるナポリタンを始めとするメニューが楽しめます。

 


 安全に配慮した運営

 手前が木村喜明(きむらよしあき)さん

6年ぶりに、以前取材でお世話になったピアニスト木村喜明さんに連絡を取ってみました。
「JAZZクラブでクラスター発生って聞いたことがありません。飛沫の飛ぶことの少ない落ち着いた鑑賞芸術なのに、一律に規制が入ってしまうのが残念です。身びいきかもしれませんが、JAZZのライブハウスが危険な場所ではないことを知ってほしいです。」

8月12日に出された政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言にも「観客が声を出さないコンサートや演劇(中略)は感染防止を徹底したうえで利用可能」との見解がありました。

佐藤まさみさんに聞くコルコバードの魅力
冒頭のライブに登場していたピアニストの佐藤まさみさんにお話を伺いました。

 偶然のW佐藤 佐藤まさみさんとマスターの佐藤さん

「2010年に初めて出演させて頂いて以来、たくさんの経験を積ませて頂きました。

マスターはJAZZの初心者や、初めていらした方にも気さくに接してくださるので、親戚の家に遊びに来たような居心地の良さを感じると思います。

コルコバードはプロの演奏を聴くことができるだけでなく、演奏者としてセッションに参加したりライブをやったり、気軽にJAZZを楽しめるところが大きな魅力ではないでしょうか。」


静かな夜に輝く店

 リオデジャネイロの名勝であり名曲の題名でもある店名

ー お2人のお店への想いとは?
「JAZZが文化として根づくような店づくりを目指しています。それにはまず、JAZZ初心者が気軽に入りやすい店である必要があります。レコードを聴きに来るお客さまがワンコイン500円で楽しめたり、ランチタイムには弁当の持ち込みも可能です。

取材を進める中、ライブが従来どおり開けない演奏者を気遣いつつも、コロナに対する弱気な言葉をうかがうことはありませんでした。

 アンプやスピーカーは80年代前半のものながら現在でも通用する名品

その理由は、マスターの佐藤さんとオーナーの宇賀さんのお2人による入念な準備から開業12年が経過、お店のテーマが確立されていること。そして、臨機応変にセッションするかのような経営手腕にあることが分かりました。JAZZを愛する人が幸せな時間を過ごすコルコバードは、静かな夜に輝くお店でした。
「松戸コルコバード」ホームページ
〒271-0092 松戸市松戸1281-12 2F
TEL:047-363-9090
最新の営業時間、ライブ情報をホームページでご確認ください。
千葉 淳

千葉 淳 (ちば じゅん)

「人生は旅」、学校卒業後、松戸市民から転勤族に。東北勤務時代に家族と「おくの細道」をたどるサイクリングを始めました。平成26年春、転勤で帰郷。これからは”松戸芭蕉”となり旅人の目から見た「松戸」を伝えていきます。

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