共働き子育てしやすい街として全国5位(※日経DUAL 2016年11月発表)にランクインしている松戸市。
そんな松戸市に、29年ぶりとなる新しい小学校が2016年4月に開校しました。子育て環境の充実に力を入れる松戸市で、子どもたちの6年間を担う新しい小学校とはいったいどんなところなのでしょうか?
“1年生”の学校
松戸市内でも近年宅地開発が進行している北総線の沿線。特にJR武蔵野線との乗り換え駅でもあり、アクセス特急の停車駅でもある東松戸駅周辺は、大規模マンションが建設されるなど人口増加が著しい地域です。
急速な開発により松戸市立東部小学校の児童数が1,000人を超えたため、分離校として新設されることになったのが市立東松戸小学校。少子化の現代、こうした児童増加による分離校は全国的にも珍しいのだとか。
また学校選択制の導入により、市立松飛台小学校や河原塚小学校学区からの転入も多いといいます。
東松戸小学校は2016年4月1日に松戸市内45番目の小学校として開校。開放感ある校舎は5階建てで、南側は公園になっており陽当たり抜群です。
なお“東松戸”という名前ではありますが、最寄り駅は北総線の松飛台駅となります(住所は松戸市紙敷1丁目)。
それではいざ潜入!
あれ?!校庭側から見ると4階建てに見えます。それもそのはず、傾斜地に建設されたため、校庭側から見ると1階に見える場所が2階となります。
こちらが今回案内して頂く校長の平松先生。栗ヶ沢小学校の教頭や教育委員会を歴任され、開校にあわせて初代校長になりました。
学校教育目標は「かしこく やさしく たくましく」。2016年12月現在、通常学級16クラス・特別支援学級2クラスの計515名が在籍しています。
もちろん放課後児童クラブ(学童保育所)と放課後KIDSルームも校舎内に併設。子育て環境・子どもたちの放課後の居場所のバックアップも万全です。
学校自体が“1年生”の東松戸小学校。それでは校内を案内して頂くことにしましょう。
1年生が6年生の5倍!?
一番最初に目に入ってきたのはエレベーター。この東松戸小学校はバリアフリーとユニバーサルデザインの採用が目をひきます。
市内唯一という小学校のエレベーター導入は、車椅子の児童が移動しやすくなっただけではなく、授業参観などで年配の方などが来やすくなったといいます。
廊下を歩いていると、やはり校舎全体に開放感があり、とても広く感じます。
ちなみにトイレも各箇所1つを残して全て洋式というのもイマドキの学校ならでは。あえて1つ和式トイレを残したのは、使い方を忘れない様にするためだとか。もちろんバリアフリートイレも各階に備えています。
気になる教室はこちら。なにやら不思議なかたちのドアですが、廊下と教室の隔たりを減らしたセミオープン型といわれるもの。
ドアを閉めずに授業をやっている教室も多く、とても開放的な印象がありました。
各教室には電子黒板と冷暖房を完備。
すぐそばには北総線の線路がありますが、電車の音はまったく気になりません。休み時間には教室からトレインビューが楽しめます。
現在は通常学級として16学級が使用していますが、将来的には最大24学級に対応できる様になっています。空いている教室はオープンスペースとして活用されています。
黒板には実は仕掛けが!なんと上下にスライドします。児童の身長にあわせて高さを変える事ができる優れもの。
ちょうど休み時間になり、子どもたちが廊下に出てきました。
ちなみに高学年になるほど転入した児童は少ないため、6年生1クラス(23名)に対し、1年生は4クラス(131名)と5倍以上の差があります。
こちらは多目的スペース。教室とは違い、廊下との間にドアや壁は一切ありません。東松戸小学校ではアクティブ・ラーニングのしやすい設計になっているのも大きな特徴です。
この日も子どもたちが何やら工作の準備をしていました。
小学校には必ずある“あれ”がない?!
続いて案内してもらったのは3階にあるラーニングセンター。図書室とコンピュータ室が一体になっており、市内の他の小学校にはない東松戸小学校自慢の設備です。
こちらがラーニングセンター内のコンピュータ室。まるでオフィスのような佇まいです。
また東松戸小学校では照明にLEDを採用しており、環境面にも配慮している設計なのだとか。
図工室ではちょうど図工の授業中でした。みんな何を作っているのかな?
真新しい学び舎で勉強できるとは、ちょっぴり羨ましいです。
小学校には必ずあるプールが見当たらないと思ったら、なんと体育館の屋上にありました。
取材したこの日は12月とあって北風が寒かったですが、夏にはオープンビューで気持ちよさそうです。
そしてこちらがプールの下にある体育館。別棟ではなく校舎の中央部に位置することで、限られたスペースをコンパクトかつ有効的に活用しています。
さて、上の体育館の写真には学校には欠かせない“あるもの”がありません。
皆さん気付きましたか?実は東松戸小学校では「校歌」と「校章」がまだ決まっていなかったのです。
そんな東松戸小学校の「校歌」と「校章」ですが、取材後の2017年1月16日にお披露目式(保護者や地域の方へのお披露目は1月20日)が行われ、ようやく決定するに至りました。
※詳細についてはこちら(PDF)をご覧ください。
校歌については6年生が中心となり作詞、校章についても保護者や児童で案を考えたとのことで、これからも皆さんに愛されていくことでしょう。
余談にはなりますが、校章の中にはハートが2つ入っているので、皆さん探してみてはいかがでしょうか?
これから刻まれる歴史
その場所とはこちら!賞状・トロフィー置き場です。
新しい学校という事でどうなっているのか気になっていましたが、さっそく4枚の賞状とトロフィーが並んでいました。これらは学校の足跡そのもの、これからも新しい歴史が刻まれていくことでしょう。
これにて取材は終了。いかがでしたか?松戸市で一番新しい小学校ということで、数々の新機軸には驚きの連続でした。
改めて平日のお忙しい中、校内を案内してくれた平松校長先生には感謝です。
帰りぎわにふと気になったのが校庭脇の木々。
まだまだ苗木ですが、これから子どもたちの成長と街の発展を見届けながら、大きく育っていくことでしょう。
今年3月には初めての卒業生が学校を旅立っていきます。もしかしたら今から何年か先、この「東松(ひがまつ)っ子」から有名スターが誕生しているかもしれません。
これからどんな歴史が生まれるのか、今から楽しみな東松戸小学校でした。