戸定祭に美味しい焼きさんま
千葉大のキャンパスでさんまが焼かれている!
10月26日、千葉大学松戸キャンパスで行われた園芸学部の学園祭「戸定祭」に行ってきました。そこで出会ったのが、なんと、岩手県大船渡市からやって来た“さんま焼き師”の皆さんです。
なぜ、千葉大学松戸キャンパスに大船渡市のさんまが?さんま焼き師とは?
関係者の皆さんにお話を伺うことができました。
大船渡市と千葉大学教授の絆ストーリー
大船渡市復興のための地域づくりに尽力された斎藤教授
「恩返しになれば」大船渡細浦地区の皆さんの想いからスタート
なぜ、大船渡市の方が松戸のキャンパスで?と素朴な疑問を、さんま焼き師でもある大船渡市市議会議員の滝田松男(たきたまつお)氏にお伺いしました。
「東日本の震災後の2013年頃から、千葉大学の齋藤雪彦(さいとうゆきひこ)教授が大船渡市の復興街づくり支援に入られ、復興の手がかりになるのではないかということで細浦(ほそうら)地区での朝市開催を提案して下さいました。その後、年に数回、学生さん達も一緒に朝市のお手伝いに来て下さるようになり、もう10年のお付き合いになります。2019年には、プラン作りから一緒に考えたお祭り広場を完成させたんですよ(※1)。こちらの戸定祭に大船渡のさんまを出店することで、少しでも恩返しになればと思っております。今回は、コロナ禍以降6年振りにこちらに参加することができました。」
齋藤教授にもお話を伺うことができました。
―記者「素敵なお話ですね。大船渡市の朝市には、今も行かれているのですか?」
「はじめの頃はお手伝いに行っていましたが、今はもうすっかり朝市も定着して、遊びに行かせてもらっている感じです。今後は能登半島被災地の復興のための街づくりにも力を入れていきたいと思っています。」
(※1)大船渡細浦地区の復興街づくりについては、齋藤雪彦教授著「むらづくり入門 世界思想社 2022」で詳しい内容を読むことができます。
最高に美味しいさんまを焼き上げる「大船渡さんま焼き師」とは?
さんま焼き師とは、大船渡市発祥の資格。
実技などの試験を受けて、合格された方だけが名乗れる資格です。
認定証を持ち、さんま焼き師しか着れないハッピを着ることができます。
そもそも、何故そのような資格が作られたのか、発案者でもある岩手県近海漁船漁業協会事務局長の金野博史(きんのひろし)さんにお話を聞くことができました。
「さんま焼き師制度は、交流人口の拡大と大船渡市の維持発展に資するために、全国で最初に始めたものです。さんまを美味しく焼くための知識だけでなく、本州一の水揚げ高を誇る大船渡市を知っていただくための実技講習と事前研修を経て、筆記試験を実施します。」
さんま焼き師の方に、おいしい焼き方のコツをお聞きすると、3つのポイントを教えていただきました。
①さんまは先に塩の上に並べて、15分ほどなじませる。
②焼き初めにも、塩をふる。
③焦げないように炭に水をかけながら火加減を調整する。
炭火焼は自宅では難しいですが、塩加減は真似できそう。
さんまを焼く際には、ぜひともお試しください。
合格者だけが着ることのできる最高にカッコいいハッピ
この日も500本の焼きさんまが飛ぶように売れました!
パリッと焼かれた皮に、脂の乗ったふっくらな白身。新鮮な大船渡のさんまはとにかく美味!塩加減、焼き加減も絶妙です!
どこか懐かしい温かい雰囲気の戸定祭
戸定祭はもちろん、さんまだけではありません。
普段は緑の多いのんびりとしたキャンパスですが、戸定祭が行われる2日間は、地元の人や学生たちで賑わいをみせています。
園芸学部ならではの、キャンパス内で収穫された野菜や切り花、農家直送の苗、果物などが販売され、森の中の可愛いいマルシェのような雰囲気に。
小さな子どもでも参加できる、ハーブを詰める香り袋作りやドライフラワーを使ったハーバリウム作りなどのワークショップも。
また、同日、お隣の戸定邸では「科学と芸術の丘」のイベントも行われているので、両方を楽しむことができます。
毎年開催していますので、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
地元の人や親子連れ、学生たちで賑わいをみせるキャンパス
センスのいいドライフラワーやリースが並ぶ
食べ終わった容器は、フィルムを簡単にはがしてキレイな状態に!
キレイな状態でごみを収集。手間をかけずリサイクルに回せます!エコの工夫は最先端!