東京都に隣接し、都心へのアクセスも良い松戸市。
デパートがあるとか団地があるとか、東京のベッドタウンのイメージが先行してしまいますが、
実は意外と多くの自然が残されているってご存知でしたか?
今回はそんな松戸ならではの、「みどり」を活かした楽しみ方と発見を紹介していきます。
都心から30分の森
松戸市の南部に位置し、日本橋まで電車で約30分という利便性の良さから近年住宅開発が進む「秋山」。
東京駅からの直線距離では「吉祥寺」や「日吉」とほぼ同じ距離にあたります。
そんな新興住宅地・秋山で、市民が中心となり保全を行っているのが「秋山の森」。
今回はそんな森の中で「クリスマスパーティー」を開催するというので訪れてみました。
秋山駅から住宅街を歩くこと約8分、大きな森が見えてきた。
イベント開催日、森への入口はこのノボリが目印。それではさっそく森の中へ!
案内をしてくれたのは「松戸里やま応援団」の深野靖明さん。
森の所有者からの協力を得て、ボランティアで森を守る活動をしているという。
森の中は月に2回ほど松戸里やま応援団の皆さんが保全活動を行っており、一部には散策路も整備されている。
撮影をしたのは12月とあって、地面も落ち葉のカーペットでふっかふか。
深野さんがふと足を止めた。あそこの木の上に鳥の巣があるという。森は生き物たちにとっても大切な場所なのだと実感。
不思議なかたちの木を発見。
秋山の森にはケヤキやクヌギ、竹など様々な樹木が生い茂り、木々を観察しているだけでも面白い!
森の中は静寂に包まれた別世界が広がり、心も体もリラックス。ちょうど黄色く色づいた葉っぱと青い空とのコントラストに心が癒される。
このように市民が主体となって保全に取り組んでいる森は松戸市内に16箇所ほどあるという。
しかしゴミの不法投棄や落ち葉による苦情など、森を守るのはとても大変なんだとか。
それでもこの素晴らしい森を後世に残すために活動してゆきたいという、深野さんの熱い想いが伝わってくる。
中を案内してもらい、改めて「森」の素晴らしさを見直すきっかけになりました。
それにしても、こんな自然が東京からすぐの所に残されていたなんて、本当に大きな発見ですね。
子どもたちに大人気
今回のクリスマスパーティーでは、たくさんの子どもたちも遊びに来てくれた。
森の中での宝探しゲームや、丸太のベンチに座っての絵本の読み聞かせなど、みんな興味津々。
今回のイベントは「Save The Green @Akiyama」の皆さんが企画してくれたもので、この「秋山の森」で月に一度程度季節に合わせた様々なイベントを開催している。
都会では味わうことのできない貴重な体験ができる森は、まさに松戸が誇る「地域の宝」。
森の中で遊ぶ子どもたちは本当に楽しそう。
今回のイベント以外にも、毎年5月には市内各地の森を公開する「オープンフォレストin松戸」を開催しているので、これを機に森に出かけてみるのも面白い。
森の中でのクリスマスパーティーいかがでしたか?
こうした活動ができるのも、森を守ってくれる皆さんの努力があってからこそ。
子どもたち、そして将来のためにも、このような交流活動がもっと広がって欲しいと感じました。
Save The Green@Akiyama のブログはこちら
それにしても森で遊んでいたら小腹が空いてきちゃいましたね(笑)次は「ご当地グルメ」のお話です。
隠れた名産物
さて、松戸の「みどり」を語るうえで、もう一つ忘れていけないものがあります。そう、農業です!
「ねぎ」や「大根」「かぶ」などの野菜をはじめ、夏になると「梨」や「ぶどう」などの果物が市内各地で育てられています。
なかでも電車で江戸川を渡ると車窓にひろがる広大な矢切のネギ畑は「農業都市」の象徴。
この都内とは一風変わる景色を見て、「帰ってきた〜!」と思う松戸市民の方も少なくないはずです。
この地区で育てられているネギ、実は「矢切ねぎ」というブランドであることをご存知でしたか?
しかし主に高級料亭などに卸すため、なかなか市内のスーパーに並ぶことも少ないといいます。
そんな「矢切ねぎ」、せっかくなので食べてみたいと思いませんか?
和菓子屋さんの作るコロッケ
そんな「矢切ねぎ」を手軽に楽しめるグルメがあるのです!その名も「矢切ネギコロッケ」!!
さっそくネギコロッケを発売しているという、下矢切にある和菓子店「八矢庵」を訪れてみました。
八矢庵は京成バス・下矢切停留所の目の前、北総線・矢切駅からも徒歩で5分ほどと利便性も良い。
でもちょっと待って、何で和菓子屋さんでコロッケなんだろう?
こちらが店主の今井さん。
きっかけは矢切地区の特産であるネギを使って、なにか「街おこし」をできないかと思ったことが発端。
今井さんも参加する「矢切地区風致保存会」の協力もあり、手軽に食べられる“コロッケ”でタマネギの代わりにネギを!という発想で作り始めたという。
そんなアイデアで始まった「矢切ネギコロッケ」。それではさっそくいただいてみることに!
厨房の奥から何やら美味しそうな音が聞こえてきた。ジュワジュワ〜というコロッケを揚げる音、お伝えできないのは残念。
(※厨房内で許可を得て撮影)
揚げたてサクサクのコロッケを切ると、中からネギの香ばしい香りが!
1個150円という手軽さからおやつにもオススメ。もちろんビールのお供にも!
中身はネギのシャキシャキ感がなくホクホクした食感。そして口いっぱいにネギの香りが広がる。
何でもネギの香りを残しつつ、ネギ特有のヌルヌル感をとるのが難しく、何度も試作品を作り思考錯誤したという。
松戸発から全国に!
2011年に発売開始し、現在4年目を迎えた矢切ネギコロッケ。
2013年に出展した第1回「コロッケフェスティバル」では何と想定外の速さで完売!
そして2014年の第2回の大会では2,800個を発売し、全国20以上の出展者の中でなんと7位を獲得!!
まさにネギコロッケの人気を物語っているが、発売した当初はたった5個の注文しかなかったという。
今では毎年夏に開催する「矢切ビールまつり」でも大人気なんだとか。
そして「矢切ネギコロッケ」と併せてオススメなのが「宇宙かぼちゃコロッケ」。
こちらは松戸出身の宇宙飛行士・山崎直子さんが、2010年にスペースシャトルで宇宙に種を持っていった「松戸白」というかぼちゃをベースにしたコロッケで、ホクホクとした甘さが特徴。ネギコロッケとの食べ比べも面白い。
「矢切ねぎ」に「宇宙かぼちゃ」。手軽に松戸の野菜を楽しめるとは、何とも美味しい情報ですね。
もちろん本業は和菓子屋さんなので、「アイス どらやき」や「いちご大福」といった和菓子もオススメです。皆さん、お土産にいかがですか?
みどりと一緒に!
森もあり農業も盛んな松戸市。
都心から至近距離にありながら、多くのみどりが残されているのも松戸市ならではの魅力といえます。
今回は紹介できなかったけれども、松戸市には「21世紀の森と広場」といった自然を活かした大きな公園をはじめ、家族で野菜作りを楽しめる市民農園、そして夏にはナシ狩りが楽しめる観光梨園があったりと、市内にはもっとたくさんの「みどり」があります。
そんな松戸市で、皆さんも「みどり」を発見、そして楽しんでみてはいかがですか?