複数の鉄道路線が走る松戸市内。東京も、埼玉も、成田空港も、羽田空港も、ダイレクトでアクセスできるのは大きな魅力ですね。
今回はそんな鉄道にちなんだ「隠れ家」スポットがあるというので訪れてみることにしました。
本業はパソコンの修理屋さん
新京成線・元山駅から徒歩4分ほどの住宅街。こちらに鉄ちゃん(鉄道ファン)必見の「隠れ家」があるといいますが、はたしてどんなモノなのでしょうか?
こちらがその隠れ家である「零工房」(ぜろこうぼう)の店主の尾崎さん。元々はパソコン修理専門店としてスタートしましたが、趣味が高じて2012年に“あるモノ”を開設してしまったのだそう。
それではさっそく中に入ってみることにしましょう!
これにはビックリ!こちらが自慢の鉄道模型大ジオラマ。時間単位で自分の車両を走らせる事ができる「レンタルレイアウト」として営業しています。
元々は大阪の交通科学博物館にあったもので、長さ約12m、幅約5mというビックサイズ。鉄ちゃんでなくてもこんな大ジオラマを見たら思わず大興奮です!!
ヤードと言われる車庫にはさまざまな車両がズラリ。なんでも300両も収容可能という規模は全国でも珍しいのだとか。
15両編成だと模型でも約3.75mもの長さになりますが、楽々収納してしまうというから驚きです。
それにしてもこのジオラマ、あまりの大きさに部屋に収まりきらず、線路を敷くにあたって壁をぶち抜いてしまったんだとか。トンネルの向こう(隣の部屋)にもレールが続きます。
走行できる線路は全部で4線。すれ違いや同時発車など様々な運転を楽しむことができます。ちなみにジオラマは一部がまだ未完成で、今後も拡充する計画があるのだとか。
ヤード(車庫)には国鉄時代からJRに至るまで様々な車両が止まっていました。こうして電車を眺めているだけでもワクワクしてきますね。
上に置いてあるこれは何?と思ったら、実は電車の上に設置されていたアンテナなんだとか。いろいろなところに遊び心が散りばめられています。
80分の1スケールの世界
鉄道模型といえば150分の1スケールのNゲージが主流ですが、この「零工房」にあるのはひと回り大きい80分の1スケールのHOゲージ(16番ゲージ)と言われるもの。
安いものは1万円台から、高いものでは何十万円もするものまでさまざま。
タバコと並べるとご覧のとおり。結構大きいんですよ。
なんと実物の車両同様の音が出るものもあります。
模型をよく見てみると、細かい部分まで表現されているのがわかります。
こちらの車両は2006年までJR常磐線を走っていた103系といわれる通勤型電車。エメラルドグリーン一色の車体に、見覚えがある方も多いかもしれませんね。
運転操作はワイヤレスのコントローラーで操作。ダイヤルをまわすとゆっくりと電車が走り出します。
ポイントの切り替えは手元のパネルで操作。元・交通科学博物館にあったものを、店主の尾崎さんが改良したとのこと。パソコンの修理屋さんという本業の技がこんなところにも活きています。
ちっちゃな世界を楽しむ
自分の車両を持ち込んで走らせるレンタルレイアウトでも、HOゲージのものは全国的にも数が少ないため「零工房」を訪れる常連さんも多いのだとか。
実は松戸市内にはかつて「新京成鉄道模型館」がありましたが、2012年4月に惜しまれつつ閉館してしまいました。
ここ「零工房」には20代から年配の方まで、幅広い年齢の方が来られるとのこと。自分の好きな車両や思い出の車両など、皆さん思い思いの車両を持参し走らせて楽しんでいます。
せっかくですので、今回は常連のみなさんの協力で、松戸にちなむ車両を並べてみることにしました。
おなじみの電車から懐かしの電車まで、JR常磐線と武蔵野線の新旧の車両がズラリ。おまけで松戸新京成バスも並べて記念撮影。松戸市民のみなさんなら親近感を感じる光景なのでは?
これは馬橋付近かな?それとも北小金付近かな?
いろいろなシーンを演出できるのも、鉄道模型の大きな魅力かもしれません。
こちらはブルートレイン北斗星号。実車は昨年惜しまれつつも引退してしまいましたが、模型の世界では現役です。
HOゲージ特有の重厚感ある走りは、まるで実物の列車を見ている感じです。
撮影している横を列車が軽快に通過。広々したスペースで自慢の車両を悠々と走らせるのもいいものですね。
いかがでしたか?こんな素晴らしいスポットが松戸にあったとは。鉄道模型を通じて趣味の交流の場になっているとは嬉しいですね。
なお今後はHOゲージのみならず、ひとまわり小さなスケールのNゲージのレンタルレイアウト設置も検討しているとのことです。
アクセス:新京成線元山駅より徒歩4分
営業日:金・土・日曜日(※不定休のため、事前の予約がおすすめです)
零工房のホームページ