松戸まつど
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まちの人びと 2022年11月3日

WATER COLOR 光の輝きを描く水彩画~コロナ禍中オンライン教室で絵描きに変身?~

これ本当に水彩画!?

Facebookにアップされた絵を見てびっくり。
反射しているガラスすごい!
さらに驚くプロフィール「2020年9月から水彩画をはじめました
えっ!いつの間に?

  • 今回は、近所にお住まいの水彩画家・高森圭子(たかもりけいこ)さんを取材しました。

    ― いつの間にか画家になられて
    「やめてください(笑)、画家じゃなくて、自称『絵描き』です」

  • 松戸市 国指定重要文化財「戸定邸」

  • 高森さんは宮城県石巻市出身。高校時代の美術部は幽霊部員、大学進学を機に上京。1985年から新松戸にお住まいで、育児に、パートに、趣味に積極的に取り組む「走り続けないと倒れてしまう人」という地元評(笑)です。

    きっかけは2020年に父親が亡くなり、100年続く家業の整理を決意した母親を手伝うための帰省。

    透明水彩画との出会い

    書店で偶然手にした水彩画家・あべとしゆき先生の作品の虜に。東京や大阪で教室をしていた先生が、長引くコロナ禍の中オンライン教室を開講したことを知り「水彩画を描くのは中学生以来」と受講開始。

  • あべとしゆき先生の最新刊

  • 丸善 丸の内本店4階ギャラリーでの個展

  • ― 対面で習うイメージがありますが
    「技術の進歩ってすごいですね。テキストが送信されてきて技法は動画視聴で学べます。描いた絵を携帯で写真を撮って先生に送信すると、電話で指導を受けることができるのです」

    ― 技法を習うと皆同じような絵になってしまいませんか?
    「題材に対するとらえ方によって個性が出るようです。写真のようにリアルに描く人もいますし、
    色の感性や濃さもそれぞれのようです。
    私は最近、人物が入った絵も描いています。佇む人、釣り人‥風景の大きさも感じてもらう狙いです」

    ― 手応えはいかがですか?
    「石巻市美術展で賞をいただきました。また、作品の前から動かない方に『あなたが描いたの!?まるで自分が絵の中にいるようだわ』と言ってもらえたことです」

    ― 美術展にも応募しているのですね
    「今年(2022年)、『第97回 白日会展』に初めて出品したところ、入選して国立新美術館に展示されました」

    ※取材後、白日会展は公募美術展の中でも高い入選倍率と分かりました。

    光と影を描く

    現在、松戸と石巻を往復する二重生活。そんな中でも取材旅行をするバイタリティの持ち主です。
    「秋田、青森を一人旅したこともあるのですよ。自分でもびっくりです」

  • 「長老湖の紅葉」

  • 「日和山の朝日」

  • ― どのように描くのですか?
    「光と影を感じながら描きます。例えば、水の流れや、今の季節ならそこに見えるススキです。
    ススキを観た瞬間『光の輝き』を感じます。それにはマスキングという技法も使います

  • 「特に窓やガラスが好きです縁側や建物の裏庭ではそこに生活している人が感じたことを想像します」

  • 「窓」窓フェチ(笑)だそうです。

  • ― 戸定邸と庭園をセットで描かないのですか?
    「有名な建物・風景をそのまま描いても『あそこね』で終わってしまいます。観た人が、ずっと観ていたい明るさや暖かさを意識しています」

  • 住んでいた人に思いを寄せる

  • 「手すき硝子の歪みが美しい」と高森さん

  • 松戸で個展開催

    「石巻を中心に東北の風景を描いているのですが、松戸に住み始めてからお世話になった皆さんにぜひ観ていただきたいです。子ども達がお世話になった流山市の『かぜのこ幼稚園』時代から、パート勤務、趣味・サークル仲間にも久しぶりにお会いしたいです」

  • 「松戸駅東口の近くにある中国料理『天廣堂』さんのギャラリーです。お店の方は息子が通っていた高校のPTA活動からのご縁です。松戸の絵2点を含む大・小35点の作品を展示予定です」

  • ふるさとの風景

    「帰省に伴い偶然水彩画を始めたのですが、そこには美しい風景がありました。北上川の流れなどこれまで当たり前と思っていた風景の素晴らしさを、故郷を離れて知ることができました」と語る高森さん。

  • 「絵は自己を表現するものですが、鑑賞する人に受け入れてもらえるように、観る人のために描く必要があると分かってきました。もっと光の輝きを描きたい、描いてるだけで幸せです」と笑顔も輝いていました。

    千葉 淳

    千葉 淳 (ちば じゅん)

    「人生は旅」、学校卒業後、松戸市民から転勤族に。東北勤務時代に家族と「おくの細道」をたどるサイクリングを始めました。平成26年、転勤で帰郷をきっかけに市民ライターに応募。週末は”松戸芭蕉”になり、自転車に乗って松戸再発見の旅にでかけています。

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