松戸まつど
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素敵な発見!2019年10月2日

新種の恐竜「むかわ竜」を訪ねて。自由研究のテーマに決定。そして結果は…。

小さかったたいがも、もう5年生。自由研究もだんだん「本格的」になってきました。
さて、夏休み前に「パパ、今年は何しようかな?」「そんなことより上野で恐竜博があるぞ!行こうぜ」「あれ、このむかわ竜って、北海道の恐竜なの?」「どれどれ、本当だ!じゃあ、上野で恐竜博を見てから北海道に帰省したらむかわまで調べに行こうか」「そうだね」
ということで、自由研究は決まりました。毎年松戸市の理科作品展にはなにがしかの作品を提出するために頑張っています。今年は「恐竜」でチャレンジすることにしました。

1 恐竜博2019にて本物の「むかわ竜」を知る
8月5日午後、毎年恒例、群馬県高山村への2泊3日のキャンプを終え、そのまま上野公園へ直行!
(毎年7月の海の日を挟んだ3連休に行くことが多かったのですが、塾の夏期講習の日程を加味し8月上旬になりました。毎年のお楽しみは「クワガタ採集」。県立ぐんま天文台もある高山村は高地であり野生の「ミヤマクワガタ」が生息しています。今年も雄2頭、雌4頭を採集し、現在「虫部屋」で繁殖挑戦中)
さて、今回の恐竜博の大きな目玉のひとつ「むかわ竜」とはなんぞや?
北海道むかわ町穂別地区(実は穂別が鵡川と合併していたことを知らなかったのですが)で見つかった、白亜紀の牛ことハドロサウルス類の恐竜化石です。「むかわ竜」は通称で、本稿を書いている途中の9月6日に晴れて「カムイサウルス ジャポニクス(日本の竜の神)」というとても素敵な学名がつきました。奇しくも昨年の9月6日はまさに北海道の厚真を中心に大地震がおき、穂別博物館も被害にあったそうですが、むかわ竜自体には被害がなく、北海道の復興のシンボルとして特別公開されたり、地元の希望の星でもありました。
そんなむかわ竜がハドロサウスル類の新属新種と世界に認定されたことになります。むかわ町のみなさん、北海道大学のみなさん、おめでとう!
ハドロサウルス類はこんな恐竜です。

むかわ竜はこんな恐竜です。

恐竜博では発掘された本物の化石と組み上げられたレプリカが展示されていました。

化石(手前)とレプリカ(奥)の展示

学名に関するニュースはこちらを参考にしてください。

2 恐竜博の図録や恐竜図鑑で「むかわ竜」を調べる。むかわ町立穂別博物館で聞きたいことを考える(その間でパパはむかわ町役場にコンタクトして博物館の学芸員の方を紹介してもらう)
恐竜博では立派な図録を購入しました。またアトレのくまざわ書店で小学館の恐竜図鑑の最新版を購入しました。さぁ準備は万全です。

たいがは一所懸命質問事項を考えました。恐竜博で触れられていなかった部分を中心に、10を超える質問項目をつくってくれました(オスなのメスなの?体重は何キロなの?何を食べていたの?群れで暮らしていたの?など)。
パパはむかわ町の恐竜ワールド戦略室という部署に「博物館で子供の自由研究に答えてくれる学芸員の方を紹介してくれませんか?」とメールを送りました。ほどなく「櫻井館長」を紹介いただきました。館長は穂別博物館の学芸員として発掘の中心人物として活躍していた方なので、たいがの先生として打ってつけです。

3 むかわ町立穂別博物館を訪れ本物の化石に触れる
北海道に帰省して約10日後、パパの実家がある室蘭に移動して2日後の8月20日、レンタカーを借りて雨模様の中、穂別博物館へ向かいました。
苫小牧市に入るあたりから雨も上がり道央自動車道苫小牧東インターチェンジより初めての日高道へ。30分ほどでむかわ町に入りました。旧鵡川町役場の近くにある道の駅にてししゃもやほっき貝で腹ごしらえした後、いざ穂別地区へ。内陸部へ向けて30分ほど車を走らせると…。
つきました。むかわ町立穂別博物館です。こちらの博物館がある穂別地区は旧穂別町といい、白亜紀後期は海の中だったということで亀やアンモナイトや魚竜や首長竜の化石がみつかっています。でもなぜ水生生物の宝庫であるこの地から陸生生物の雄である「恐竜」が見つかったのでしょうか?

約束の時間である午後2時に櫻井館長から直接レクチャーをうけ、質問をぶつけていきます。
例によって一問一答です。ふたりのやりとりをお楽しみください。

―たいが発掘の経緯を教えてください」
―館長「穂別の化石が大好きな堀田(ほりた)さんというおじさんがアンモナイトを探している途中、しっぽの化石を見つけたんですね。穂別は昔は海だったのでクビナガリュウのしっぽだと思ってしばらく倉庫に眠っていました。7年くらいそのまま眠ったままの化石でしたが、東京学芸大学の佐藤たまき先生(クビナガリュウが専門)にお見せしたところ「これは恐竜ではないですかね?」ということになり、北大の小林快次(よしつぐ)先生に写真を添付して確認をお願いしたところ「間違いなく恐竜です」とうことになり、大規模に発掘をすることになりました。
―たいが発掘はどれくらいの期間行ったのですか?」
―館長2013年と2014年にそれぞれ1か月くらい、2015年と2016年にそれぞれ10日くらいですね。それよりも化石を岩からはがしてきれいにする「クリーニング」という作業に4年くらいかかったのでそちらがたいへんでしたね」
―たいがどの辺りで見つかったのですか?」
―館長穂別の山の中です」
―たいが「どうして昔海だったところに恐竜がいたんですか?」
―館長海辺に近いところに住んでいた「むかわ竜」は死んで海に流されて、沖合で沈んで化石になったのではないかと考えられています。まとまった場所からたくさんの化石(全身の80%以上)が見つかったということはバラバラにならないうちに海に沈んだ可能性が高いと考えられていますね」
―たいがどこの骨が見つかったのですか?」
―館長見つかっていない骨の方がとても少ないんですよ。主なものは上あご、骨盤、そしてしっぽの先です。堀田さんがしっぽを見つけた場所から先の部分は、どこかに行ってしまったか、風化してしまったのではないかと思われています」
―たいが何を食べていたのですか?」
―館長「胃の中に何を食べたのかが残っていた場合には特定できますが、むかわ竜が何を食べていたのかはわかっていません。ただしむかわ竜の仲間であるハドロサウルス類は木の葉や木の実を食べていたことがわかっています」
―たいが群れで暮らしていたのですか?」
―館長「実はそれもわかっていません。1頭で死んで沖合に流されて沈んで見つかってますからね。群れで暮らしていたことを証明するためには、同じ場所から複数個体の化石が見つかるとか、複数個体の足跡の化石が見つかることが必要です。ちなみにハドロサウルス類は群れで暮らしていたことがわかっています。」
―たいが重さはわかりますか?」
―館長「最近発表された資料に書いてます。ちょっと待ってね…。あった。ハドロサウルス類は通常2足歩行ですが、4足歩行もできると考えられていた恐竜です。大きなものは前足で補助しながら歩いたと考えられています。むかわ竜の大腿骨の太さから2足歩行だった場合は4トン、4足歩行の場合は5.3トンだったと計算されています」
―たいが歩く速さはわかりますか?」
―館長「まだわかっていません
―たいがオスですか、メスですか?」
―館長「オスかメスかは分かりません。化石からはほぼ判別できないと考えられています」
―たいが「むかわ竜は正式な名前ですか?」
―館長「まだ正式な名前はありません。論文はもう提出しているのでそろそろ学名がつくころですね」
―たいが「ありがとうございました」
最後にツーショットの写真を撮って館長とお別れしました。パパもたいへん勉強になりました。ちなみにパパは小さいときクビナガリュウも恐竜も同じ仲間だと思っていました(笑)

櫻井館長さんと記念撮影


4 松戸市理科作品展を知る
東京駅近くのKITTEにある東京大学の「インターメディアテク」という博物館には哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類等さまざまな生き物の骨格標本が展示されています(しかも無料!)。そちらを見学したりしながら、たいがは仕上げをしていきます。
パパは北海道と松戸をつなげるために理科展についての取材を開始です。松戸市の教育委員会の沖崎さんを紹介いただきました。

 出典「小学館の図鑑NEO 新版 恐竜」

これも1問1答形式で記載します。
パパ理科作品展のだいたいのスケジュール感を教えてください」
沖崎さん松戸市小中学校理科作品展は9月12日(木)~15日(日)。優秀作品が出品される千葉県児童生徒・教職員科学作品展(一般展示)は10月12日(土)、13日(日)となっており、千葉県科学作品展出品から逆算して市内作品展の開催を設定しています。市内作品展は松戸市文化ホールで開催です」
パパどういった方が審査されるのですか?」
沖崎さん松戸市立小中学校の理科主任の先生、理科を専門にしている先生で構成しています」
パパ評価のポイントはどのようなものですか?」
沖崎さん「ご案内のとおり2部門に分かれており<科学工夫作品>は「着想が新しいか」「創意工夫が盛り込まれているか」「研究努力が積まれているか」「学習したことを発展させているか」<科学論文>は「自然科学を対象としたものか」「着想が新しいか」「研究努力が積まれているか」「学習したことを発展させているか」になります」
パパ各学校での選考にあたって基準はありますか?」
沖崎さん「展示スペースに限りがあるため、科学工夫作品、科学論文とのクラス数を超えない数と定めています。ちなみに昨年度は全市で科学工夫作品が562点、科学論文が860点、合計1422点が出品されました」
パパ賞の種類と数は決まっていますか。また入賞すると何かいただけるのでしょうか?」
沖崎さん「学年によって多少異なります。
<科学工夫作品>では小学生は各学年とも金賞2となっています。銀賞は1・2年生が33年生以上が4となります。銅賞は各学年とも6佳作についても各学年6~10です。中学生は各学年とも金賞3銀賞3銅賞6佳作6~10です。金賞と銀賞が県展へ出品されます。
<科学論文>では小学生の場合金賞は1・2年生が33年生以上が4銀賞は各学年とも8銅賞は各学年とも10佳作は各学年とも6~10です。中学生の場合は各学年とも金賞3銀賞5銅賞9佳作6~10です。小学生の金賞と、中学生の金賞・銀賞が県展に出品されます。小学生の科学論文のみ金賞になっているのは、出品数が県から指定されているためです。
入賞した場合ですが、市内作品展においては出品した全員に賞状がもらえます。金賞・銀賞・銅賞を受賞した場合はメダルがもらえます。佳作までに入らなかった児童生徒は努力賞となります」
パパ「ありがとうございました。作品展でお会いできることを楽しみにしております」

新学期が始まり、たいがが通う上本郷小学校の校内選考の模様について清水校長と理科主任の大熊先生にお話しを伺いました。

清水校長先生

理科主任の大熊先生

パパ「校内の選考は終了しましたか?」
校長「昨日終了した模様です。第二理科室にまとめて置いてあり、発送を待っているところです」
パパ「校内の選考模様は終了したと校長からお聞きしましたが、感想はいかがですか?」
大熊先生「高学年の科学論文の倍率がたいへん高くなっており選ぶのがたいへんでした」
パパ「校内代表となった作品たちを少し見せていただいてよろしいですか?」
校長・大熊先生「どうぞ」
ということで第二理科室の写真を遠目でとってきました。

ちらっとみると5年生の作品に「むかわ竜」はいないようでした。また来年頑張ろうね!
9月14日(土)エレクトーンレッスンの後で、市内理科作品展を見学してきました。どれも感心する内容でした。たいがもきっと刺激を受けたと思います。入賞された児童生徒のみなさん、おめでとうございました!
お時間のある方は、ぜひ県展にも足を運んではいかがでしょうか?


さて2020年度から教育課程も変わります。先生たちの働き方改革の取り組みもますます必要になるでしょう。そういった中で長期休暇をどう過ごすのか?がたいへん重要になりますし、家庭教育の重要性が再認識されてきているなぁ、と最近ひしひし感じています。
今回の自由研究は「遊びの中に学びあり、学びの中に遊びあり」を地で行くようなものとなりました。親としては頑張って少しずつ大人になっていく我が子の姿を誇らしいと思える旅になりました。
榎本 智支

榎本 智支 (えのもと さとし)

都内への通勤の利便性が決め手となって、平成11年に北松戸駅近くに居を構えました。平成20年、息子の誕生を契機に「地元」に目覚め、以来日々新しい発見に心躍らせる毎日です。「父子のふれあい」をバックグラウンドにおきつつ「松戸の素敵」を紹介できればと思います。

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