記者が坂川に沿ってサイクリングをしていると
新松戸のマンション街で偶然、カヌーの講習を見かけました。
今回は講師の鹿野さんと広報の水嶋さんに出会えたことがきっかけで
江戸川・坂川を拠点に活動するNPO法人松戸市カヌー協会を取材しました。
川面に写真映えする色とりどりのカヌー。
しかし、よくよく考えてみるとカヌーについては知らないことばかりです。
①どうやって始める?
②どんな人がやっている?
③どこに保管する?
④ホワイトウォーター?
記者「質問を考え、正式に取材の申請をします。」
水嶋さん「協会のホームページがあります。
上葛飾橋(旧松戸三郷有料橋)下の艇庫に
必ず誰かいますから、気軽に来てみてください。
カヌーがたくさんあるのですぐに分かりますよ。」
実は鹿野さん、地元松戸にカヌーを広めた協会創始者のひとり。
往年の名選手として、指導者として、カヌー界では有名な方でした。
現在、千葉県カヌー協会副会長、松戸カヌー協会理事。
そして、2017年4月から東京オリンピック・カヌースラロームの開催地となった
江戸川区カヌー協会からの要請により同協会会長に就任しています。
― カヌーはのんびり湖や川を移動するイメージがありますが、どんな技術が必要なのですか?
鹿野さん
「自在に回ったり、止まったり、艇を自在に操ることができて初めて、楽しく、そして安全なんだよ。
そのために静水の坂川で基本の練習を行っているのさ。水泳で使わなくなったシーズンオフのプールでも講習するんだよ」
「涼太~!ちょっと(模範を)見せてやって」
森田選手の技に受講者は唸り、協会関係者は目を細めます。
まったくカヌーを知らない記者も、滑るように進む姿に目を奪われました。
また、対岸の葛飾区にも、松戸市カヌー協会の兄弟のような「葛飾区カヌー協会」があります。
太田雅也さん
「小6の子供と受講して親の方がハマってしまいました。最初は全員MFCCに所属するのです。そこで腕を磨き、引き続き競技志向のMFCCに属する人もいますし、他のクラブに移る人もいます。しかしクラブ間に垣根はなく他のクラブのツアーにも参加しています。」
坂根洋平さん
「シーカヤックに乗って趣味の釣りがしたいと思ったのがきっかけです。松戸市カヌー協会のことは、雑誌『カヌーワールド』で見つけました。」
竹内克彦さんは、艇庫そばの松戸市古ヶ崎在住。
広報まつどで偶然見つけた『平成28年カヌースクール(全4回)』に参加したそうです。
「何か自分に合った趣味を探して英会話教室に入ってみた感じでしょうか(笑)。
カヌーは最初は協会のものを借りて、今は買い替えた人から譲り受けた自己所有です。
新しい物を買ってもすぐに傷が付いてしまうので、まずはこれで練習です。」
上の方から「一恵さん、沈脱見せてやれ~!」と声がかかります。
「江戸川で協会の方がカヌーをしているのを見かけて、子供が小学4年生になるのを待って受講しました。このスイープロールができるまで3年かかりました。」
にギャラリーから爆笑が!
岡田さんも同期三人組も、御岳や秩父の急流に挑戦したり松戸市長杯や千葉県民大会に出場しているそうです。
青少年会館の講座「カヌーに乗って江戸川探検 」で
江戸川河川事務所松戸出張所・甲田知正(こうだともただ)出張所長と古ヶ崎浄化施設を見学しました。
ポピーやコスモス畑で市民の憩いの場でもある河川敷の下は、幅28m×長さ125m×5槽からなる巨大地下プールがあり、坂川から江戸川に流れ込む水を浄化しています。
参加者の多くは、親御さんが「広報まつど」を見て申し込んだという小学生たち。
「もしも『沈(ちん=沈没や転覆)』したら、慌てず、腰を抜いて脱出するんだよ。」
真剣に聞く子供たち。しかし、意外と短時間です。
記者(…えっ、これだけで乗れちゃうの?)
転覆が発生すると「レスキュー!」
水上からの掛け声でインストラクターが急行します。
講習は主に上流で行い、流れに乗って帰ってくる仕組みだそうです。
「疲れた中で下流から漕いでくるのは大変なんですよ」広報委員の藤井勇(ふじいいさむ)さんが教えてくれました。
お母さんによると、幼稚園のカリキュラムにカヌー体験があったそうです。
記者の予想をはるかに越えて、どんどん遠くへ漕ぎ出していきます。
「ミナト~!頑張れ~!」と応援するお母さん。
樹生(たつき)くん小学5年生の親子に注目しました。
最初からどんどん岸から離れていく樹生くんに比べてゆっくりと漕ぎ出した吉田さん。
父親としての面目躍如、力強く漕いでました。
「後半バテました」と謙遜も素敵な笑顔です。
協会の皆さんは後方から声をかけ指導、
漕げるようになると離れて監視。
大人も子供も行ったり来たり。
次第にカヌーを操れるようになります。
他人のお子さんではありますが(笑)どの子も明らかに表情が大人に。
保護者の方はお子さんの成長を実感できたのではないでしょうか?
― 子供さんの成長に良いことが分かりました。
「大人にも良いことがありますよ。
①腕をぐるぐる回しますので肩こりが無くなります。
②女性の方は二の腕がスッキリします。
③朝早くて食事が規則正しく、無駄な間食もできませんから生活習慣病の予防にも…
④何しろ、自然の中でリラックス、リフレッシュできると思います。
家族でキャンプに出かけ、カヌーができたら素晴らしいと思いませんか?」
「子供たちにまず、川に親しんでもらいたい。昔の川遊びを伝えたい。
今日の体験会のほかにも、毎年8月に開催される「献灯まつり」やプールで行っている「水上運動会」をきっかけに、楽しさを知ってもらいたいです。
松戸市自閉症協会の方に対するカヌー体験講習会を健常者の子供たちと合同で行っています。自閉症の方にも水上で自ら漕ぎ出す体験をしていただきたい。カヌーの可能性を感じています。」
艇の形状や競技の種類もいろいろ!!!
世界への道が松戸から始まっていることが分かりました。
素敵なパドラーたちに巡り会い、「ぜひ競技編を書きたい!」そう思う夏の一日でした。