松戸まつど
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ほっとできる2021年1月12日

コロナに負けるな!!~開業10周年を迎えた自転車店「シクル・マーモット」の挑戦~

開業10周年を迎えたスポーツバイク専門店

「これはマーモットだね。このグリーンとブルーのデザインは何だい?」
2016年フレンチアルプス。
世界的な自転車イベント「ラ・マーモット」での一コマ。

ウェアについて質問される馬場さん(右)「マーモット」とウェアのデザインの解説はこの後すぐ!

松戸でスポーツ用自転車専門店を開業して10年を迎えた方がいます。

馬場 善久(ばば よしひさ)さん
東京都武蔵野市出身、2006年から松戸市民。
ロードバイクで全日本選手権出場、日本、ニュージーランド縦断。
大学卒業後農林水産省勤務、外務省、経済企画庁(当時)出向。経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部勤務のため駐仏。
異色の経歴の自転車店主です

今回は2020年、開業10周年を記念して江戸川サイクリングロード(以下CR)沿いに移転したスポーツバイク専門店「シクル・マーモット」を取材しました。

鮮やかなグリーンのシェードが目印

店主の馬場さん(撮影用にマスクを外してもらっています 店内のコロナ対策はこちら


シクル・マーモットって何?

― 店名のシクル・マーモット(以下マーモット)の由来を教えてください。
「シクルはフランス語で自転車のこと。マーモットはアルプスをはじめヨーロッパ山岳地帯に生息している草食系の動物。体長は60cmぐらいの大きなリスのような動物です」
― ブルーとグリーンが目立つお洒落なジャージですね。

長野在住のお客さまがロゴをデザイン

「ブルーのラインはアルプスの清流をイメージしています。もうひとつは江戸川がさらにキレイな流れとなるよう願いを込めています。両端の白いラインは江戸川両岸のCR(サイクリングロード)です。
生地のイエローグリーンはアルプスの草原と江戸川CRの芝生をイメージしています。
シンボルマークの自転車に乗るマーモットは、姪っ子の原画がベースになっています」


駅から遠くない?

― 松戸駅から600m。あまり立地が良くない印象ですが…?

この先に市立中部小学校、松戸市民劇場。旧水戸街道を越え松戸駅

「はい。人通りも少なく、日没閉店です(笑)。
しかし今はインターネットで見つけ来店いただける時代。また、多くのお客さまがサイクリングロード経由の来店です。
会員(無料で誰でも入れる特典付)のおよそ半分が松戸市外のお客さまなんです」

取材当日も千葉、浦安、船橋の各市、葛飾区、足立区からのお客さまがいらっしゃいました。

海から20km。対岸の東京、埼玉側もCR

松戸駅600m。「江戸川堤防交差点」に面した店舗


スポーツバイク専門店とは?

 一般の方にはちょっぴり気後れしちゃう(?)ロードバイクですが…潜入捜査開始(笑)。

好みのハンドル、フレーム、サドル等を選んで組む。完成車も在庫。工具等の都合上ママチャリには対応していない

最初にお話を伺ったのは、学生時代剣道をやっていたという重野さん(47)と小学5年生で学校では陸上部所属の娘さん。サングラスがお洒落です。

ズラリと並ぶパーツやバッグ、クローブ等の小物類

重野さん「スポーツバイクに興味を持って移転前のマーモットに寄りました。最初は、なんか職人肌の店に入っちゃったなぁという印象でした。
それでも、初心者に丁寧な説明の店に入ってよかったと思います。かっこいい私、あっ!ロードバイクだ(笑)にあこがれて、妻も娘もここで買いました

娘さん「部活の種目は走り高跳びです。背が低くてクラスでも前から2番目なので、最初は自転車に体を合わせるのが難しかったです。ロードバイクは遠くまで行けて楽しいです」
乗り始めて1年半で、1日180kmも走ることができるようになったそうです。
― 今日の来店目的はなんですか?

撮影に「モデルデビューですね?」と声をかける馬場さん

重野さん「娘には24インチのバイクを買ったのですが、乗り方が上達してきたのと背が伸びてきたので、ハンドルを少し遠くしてもらいに来ました。ハンドルとフレームの間にあるステムというパーツを2cm長いものに交換してもらいます。」

ロードバイクは身体の特徴やフォームに合わせたポジション調整が大切なのですね。

松戸市在住・佐藤さん(37)「私はメカに弱くて店長頼みです。バイクの調整は有料と聞いていますが、マーモットで買ったので今のところタダで面倒を見てもらっています」

小学生からベテランまで、お客さまからの信頼が厚い技術

市川市在住・植木さん(55)
「トライアスロンもやるのでランニングで来ました。馬場さんはベテラン客の扱いが上手いです。大手自転車店勤務の経験からでしょうか、知識が豊富で腕も確か。部品の取り寄せなど満足のいく対応をしてもらっています」

船橋市在住・玉沢さん(52)
「今日はバイクのオーバーホール(分解整備)の予約に来ました」

さすが専門店。一方で、一般の方が気軽に立ち寄れる店‥?と不安になったその時です。
店頭のテーブル席で休憩している普通そうな(スミマセン)女性を発見!
浦安市在住・山田さん(20)
「健康のため友達と一緒にロードバイクを買いました。練習会で以前に写真を撮ってもらいましたが、覚えてますか?」
覚えていますとも!驚きました!
たった4か月前まで初心者だったのに、この日は浦安から自走で来店していました。
マーモットには短期間で上達するシステムがある!?

左から飯間、横山、藤澤の各氏と、馬場店長、山田さん。取材当日はハンドメイクバイクBIXXISの試乗会でした。

続いては、主に日曜日に開催されている走行会を紹介します。

コロナ下の走行会

実は、朝練や走行会等のサイクリングイベントを開催している自転車店は、少なくありません。しかし、2020年の新型コロナウィルスの影響で自粛ムードに。
ここマーモットでも約4か月休止。再開の方法を模索していました。

スキーと同様に靴とペダルを固定しているロードバイク

購入後間もない山田さんはスニーカーで練習

昨年7月に再開した走行会は初心者向け。偶然通りかかった記者(私)が馬場さん、先述の山田さん達を撮影していました。
内容はブレーキングや左右の重心移動を体感するスラローム。飛沫防止を図るため、説明や会話を少な目にした反復練習が中心でした。詳しくは下記お店のブログをご覧ください。
昨年12月に開催された第332回走行会の行先は、カステラ文明堂浦和工場。
13名がお店に集合。途中合流の方も合わせて、20名が参加していました。
― コロナ下のイベントは気を使いますね。

ミーティングの様子。自己紹介後、組み分け、休憩地点等を確認します

馬場さん「開催も含め慎重に行っています。再開後も状況に応じて中止する場合があります。
①人数制限
②参加者・連絡先の記録
③受付時の消毒
④集合写真撮影中止
⑤少人数編成の走行
⑥時間差の目的地滞在
など、密を避ける対策を取り実施しています。ルートを決めて単独走をお願いする場合もあります」

 岩尾さんはネオンイエローの目立つバイクで

記者と同い年の伊東さん(58)は、お嬢さんがラボ(当サイト)の元市民記者

店頭での取材時、娘さんのバイクのポジション変更で来店していた重野さん親子を発見。
この日は奥さまも参加。色違いのBRIDGESTONE製バイク。家族で自転車生活!羨ましいですね。

奥さまはこの日、初の100kmの走行に成功

馬場さんを先頭に隊列を組んだグループ走行


シクル・マーモットの誕生

― 自転車との関わりを教えてください。

競輪以外にも多くの種目があるトラック競技

馬場さん「高校入学の頃から『ツール・ド・フランス』など自転車ロードレースに憧れていました。
高校に自転車部が無かったので実業団チーム『ラバネロ』に所属し、国民体育大会を目指していました。当時はロードレースの大会は少なく、バンクを走るトラック競技をやっていました。
開業後は松戸競輪場が会場になった千葉国体のお手伝いもしています」

奥様の馬場千恵子さんにもお話を伺いました。ご自身のブログの中で私の過去の記事も紹介してくださっていました。
― 公務員の安定した中で楽しむ道もあったと思いますが?
千恵子さん「夫は夜中にタクシーで帰ってきたと思ったら、携帯では起きないためか家の電話に目覚ましコールがかかり、私が起こして早朝出勤したこともありました。自転車を楽しむどころではなかったようです」
― そんな馬場さんのターニングポイントが駐仏なのですね?

世界的な市民レース「ラ・マーモット」を走る馬場さん

馬場さん「はい。3年間OECD日本政府代表部一等書記官として出向した際、フランス人の同僚に『お前自転車に乗っていたのか?』と誘われたのです。
憧れのツール・ド・フランスの地で買った最新の機材に胸躍りました。
その後、週末はサイクリングにレースにと、学生時代の血が騒ぎ始めました。
帰国後約3年間は「日・タイ」及び「日・豪」経済連携協定に携わる
など再び忙しくなりましたが、親の要介護認定を機に20年務めた農水省を退官。縁あって大手のスポーツバイクショップに入社しました。
好きな道に進み、3年間お世話になりスキルはもちろん、店長として店舗の運営を学ばせてもらいましたが、組織の中ではどうしても自分の理想とする接客が出来ず、思い切って開業を決意しました」

深刻な話はされない馬場さんですが、2003年にヨーロッパを襲った熱波や、千恵子さんのお父さまの入院とその後の葬儀に伴う緊急帰国など海外赴任ならではのご苦労もあったようです。

嵐を呼ぶ男!?

【お断り】ここからは踏み込んだ質問のため、一部匿名で画像、音声(笑)を加工してお送りします。
― 収入の減る転職、さらに不安定な独立。心配ではありませんでしたか?

母校大学図書館司書から予想だにしなかった自転車店主の妻に 

※白クマさん「海外赴任当時は周囲から激務とのアドバイスを聞き心配となり、私も仕事を辞めて同行しましたが、OECD本部と代表部混同による勘違いでした…!
転職にはそこに至るまでの経緯から、何とか理解できましたが、開業に関してはもはや諦めです。
否応なくスポンサーにされていたので、税理士の従弟に決算をみてもらいました」
※次にご紹介する千恵子さんのブログのハンドルネームです。

千恵子さんのクロスバイク通勤、会計兼Café、図書・雑誌整理、店内環境整備担当の奮闘が始まります。
千恵子さん曰く「店主ブログの箸休め」として始めた連載「Le café oursblanc」が360回超え!お客さまに対するお礼を始めとした温かくやさしい気持ちを大切にする日常が綴られています。
馬場さん「開業に当たっては『生きていくにはこの道しかない』と妻に理解してもらうことにしました。開業後は商工会議所、駅西口の商店関係者とのつながりを大切にしました。一番の苦労はコスト管理。これは10年経っても自信がありません。宣伝に関してはイベント、ブログ、SNSに力を入れることで経常的な広告費を抑えることができました」
― 馬場さんの描く理想的な接客とはどのようなものですか?

山田さんの到着を心配する馬場さん

「自転車のある生活の提案とサポートです。
販売・修理、安全な乗り方はもちろん、いろいろな楽しみ方を私の40年以上の自転車経験から伝えたいのです。
学生時代から経験してきたトラック、ロード、トライアスロンなどの競技や、日本縦断などツーリングに加え、開業後もシクロクロス、ブルべ等を自ら経験することで、楽しさやノウハウを伝え、サポートしたいです」

お店HPを読み進めると、シクル・マーモットには初心者から上級者まで楽しめる活動がありました。

楽しみ方いろいろ

健康目的はもちろん、コロナ下で安全な移動手段として注目されつつあるスポーツ用バイクですが、シクル・マーモットでは幅広い活動が行われています。
恒例化している走行会はこちら!

パンクに対応するチューブ交換の練習

初級者向けからある走行会(2019年9月撮影)

オフロードを走るシクロクロス


シクル・マーモットのこれから

― 10周年の感想、今後どのようなお店にしていきたいですか?
「開業以来、多くの方にご利用いただき、走行会や新年会の開催までお客さまに助けられてきました。
コロナの影響で残念ながら10周年記念パーティは中止、移転セールでも自粛の影響で在庫が残って大変でした。そんな時にも、人海戦術で移転を手伝っていただきました」

会員からの 新装開店祝

 会員で開いた新年会(2018年1月)

お客さまとのつながりを大切にしたいと語る馬場さん

「幸い移転後はランナーが土手を下りて店を覗きにきてくれるようになり、新しいお客さまも増えました。
これを機にCRをシェアするランナーと、サイクリストが理解し合えるような取り組みをしてみたいと思います。
マーモットでは、学校の部活動のように上下関係のある組織は作らず、新しいお客さまも常連さまも、分け隔てなく接していきたいと思います」


自転車生活をサポート

馬場さんの示す理想のカタチに、いつの間にか気づきました。
お客さまに時間をかけ、丁寧に応える馬場さんに代わり、千恵子さんが開店当初からのお客さまをご紹介くださいました。

開業時からの常連の後藤さん 

後藤さん「マーモットは私にとって遊び場所なんです。無理に売ろうとしないのでお店という感じがしません(笑)。
逆に言えば、そうだから安心してここで遊び道具を探すのかも知れません。
最近はコロナで自粛中ですが、近くまで来るとつい寄っちゃう良いお店です。」

「開業後、趣味が仕事になって趣味が無くなった」と語る馬場さん。
自転車に対する、サイクリストに対する情熱にカタチがあるとすれば ―
お客さまの自転車生活をサポートする「シクル・マーモット」がそうではないでしょうか。

早朝の走行会集合場所に向かうマーモット会員

シクル・マーモット HP
営業日・時間、取扱商品から新サービス「自転車お預かり」、「トレーニングルーム」、「洗車&注油&WAX」まで情報満載
シクル・マーモット Facebook
最新の情報、予約システムはFacebookへ
スポーツバイク専門店「シクル・マーモット」 千葉県松戸市松戸2160-2

 

千葉 淳

千葉 淳 (ちば じゅん)

「人生は旅」、学校卒業後、松戸市民から転勤族に。東北勤務時代に家族と「おくの細道」をたどるサイクリングを始めました。平成26年春、転勤で帰郷。これからは”松戸芭蕉”となり旅人の目から見た「松戸」を伝えていきます。

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