素敵な発見!2019年1月16日

Don’t you know?~♪青空の下で育つフレッシュなレモンは生粋の松戸産~

新松戸レモン!?
ピーナッツといえば千葉県産
近い将来、「レモンといえば千葉県松戸産。知らないの~?」という日が来るかもしれません。
記者(56)の世代はレモンといえば「サンキスト」。カリフォルニアのイメージが強いです。
国内では瀬戸内海地方など通年で温暖な地域が産地のようです。

 青空の下、鈴なりのレモン畑。信じ難いですが新松戸駅の近くでした。

  www.fmmatsudo.com ラジオ ポワロで検索

取材のきっかけはラジオポワロ
千葉県松戸市を元気にする情報、よもやま話が聴けるネット配信のラジオ。
パーソナリティー上條榮子(かみじょうえいこ)さん
「美味しいと聞いていた新松戸産のレモン!
買った場所は新松戸中央公園の近く。新松戸の直売所で地味に売っているので広めたい。」
との話題でした。

(記者)「なに?(地元)新松戸のレモン!?」

今回は新松戸で生産されているレモンを取材しました。

「ワックス不使用」についてはこの後すぐ


千葉県松戸市新松戸6丁目

 バス通り・けやき通り沿いに立地した直売所

ラジオ配信後、ネット検索しても生産者の名前はおろか連絡先も分かりません。
編集会議出席者や事情通の商店主に伺うと
「新松戸の鵜殿(うどの)さんが生産しているらしい」との情報が。
なんと、灯台下暗し、近所のマンションに住む義母から超有力情報がありました。
「(マンションのベランダから見える)
9月頃に完成したお洒落なお店がそうでは?」

アポなしで(笑)直接訪問して取材交渉しました。


柑橘類直売所 「MONPE(もんぺ)」
それでは今回の登場人物を紹介しましょう。

柑橘直売所 MONPEに勢揃い。生産者の鵜殿シトラスファームの皆さん。

敏弘さんの運転でレモン畑巡り

鵜殿敏弘(うどのとしひろ)さん 65才
松戸出身、松戸育ち
記者と同じ小金中学の大先輩!
東京農業大学卒
最初の偶然のレモン栽培から約30年。
本格生産に入って7年になります。
今年(2018年)9月に直売所を始めました。」

レモンに愛情を注ぐ

奥様の優子さん
東京出身
敏弘さんと結婚して松戸へ
「うちのレモン可愛いです。
皮も薄くて美味しいんですよ。
ケーキ屋さんにも使っていただいています。

サラリーマンから農業に転身

長男の崇史(たかふみ)さん 35才
駒澤大学経営学部卒 何と文系!
自動車販売会社から家業に入り4年目
「農業に関して農大出の父、叔父には遠く及びませんので二人の下で、そして独学でも勉強中です。」 

お客さまの「これ何かしら?」に応える芳行さん

鵜殿芳行(よしゆき)さん 59才
敏弘さんの弟
東京農業大学卒
「この直売所の前身となる園芸店で鉢植えのレモンを扱っていましたからその時からのお客さまもいらっしゃいます。
直売所はできたばかりで、代表電話もまだないんですよ。」

宣伝開始前に記者のアポなしの訪問。
取材依頼に驚きながらも親切に応対いただきました。

 

国内産と輸入品との違い、お味は、お値段は?取材を進めます。

食品添加物、ワックス「不使用」

味の確認。後方では軍手で皮を磨きながら選別

「国内産と輸入品の大きな違いは食品添加物。
ポストハーベストという言葉を知ってますか?

輸入時、長時間の輸送・貯蔵中のカビ発生を防止するために収穫後に使用される農薬(ポストハーベスト)のことです。

ワックスとは被膜剤と呼ばれる食品添加物のこと。国内産にはこれがほとんど使用されていません。」

輸入品に対する防かび剤の店頭表示

〈スーパーなどの店頭で見かける防カビ剤表示〉
「食品衛生法の基準に従って、防カビ剤として、チアベンダゾール(TBZ)、イマザリル、フルジオキソニル‥を使用しております。」

国内の法律では収穫後の農薬は食品添加物として扱われ、健康に影響を及ぼさないよう、使用基準が定められているようです(下記リンク参照)。

「皮まで美味しい」
気になるお味!
記者の感想は「酸っぱさにピリピリ感が無くて爽やか。砂糖を入れたホットレモンが薬臭くなくマイルド!」

上條さん(写真左)  写真提供:ラジオ ポワロ

情報提供者の上條榮子さんは
「ハマっちゃってヘビーユーザーになりました。
皮まで美味しいです。
レモンサワー最高です。」

記者の友人も
「紅茶に入れて飲んでみました。
酸味があるかと思いきやまろやか。なぜ?」
「ハイボールと蜂蜜漬を作りました。マイルドな酸味が美味しいです。輪切の皮が美味しいです。」
と松戸産に驚きつつ絶賛。

ハイボール

蜂蜜漬      写真提供:友人S


値段に差はなし

 2個200円(1個100円)から

鵜殿さんのレモンは取材時2個200円でしたので
1個100円~
記者が沿線のスーパー3店、果物店1店を実際に訪ねたり、ネットで調べたところ
店頭  国産 120円~ 外国産  98円~
ネット 同上 286円~ 同上   118円~
大きさの違いもあり一概に比較はできませんが
国内産は外国産と比べやや高めです。

値段が同じ、いえ、多少高くても、産地に近い松戸産を選びたくなります。


戸レモン誕生秘話
「26年前、前身の園芸店で売れ残った3本の鉢植えを地植えしたのがレモン栽培のきっかけです。」
ご存知の方もいるかもしれませんが、レモンは鉢植えで栽培ができます。
ただし、収穫量は少なく、年間10個採れる方はかなりの腕前だそうです。

誕生のきっかけとなった木

苗を仕入れ栽培。ここは新松戸北の畑。2013年3月

 栽培開始前の土地 

偶然植えたレモンが松戸の気候でも生育することが分かったのです。
苗には生産者の登録があり勝手に増やすことは禁止されているそうです。
苗を仕入れ試験栽培が始まりました。

品種は比較的寒さにも強いマイヤーレモンを生産することに。

 

 美味しさの追及

スマホの画面の土地の現在の様子

「当たり前ですが、果実は収穫まで味が分かりません。
最初の収穫までは3
~4年、本格的収穫には10年かかります。
この土地でレモンを始めとする美味しい柑橘類が採れるか試行錯誤の連続でした。」

 ラインナップ

 トンカツなど油物の食後の脂質代謝に有効

ライムは少人数の家族で使い切れるサイズを意識しました。」

レモン以外にもライム、温州みかん、キンカン、オレンジ類のはるみ、せとか、麗紅を試します。

レモンの収穫は9月から2月まで。
その後は麗紅、甘夏、ブラッドオレンジ等が3月まで収穫できます。

 


東京都港区赤坂
鵜殿シトラスファームの挑戦は松戸に留まりません。
北風の強い、12月の土曜日。赤坂・アークヒルズで開催されているヒルズマルシェで崇史さんを追ってみました。

 アークヒルズ「アーク・カラヤン広場」

 ヒルズマルシェには2018年から出店

さすがアークヒルズの集客力、寒い中たくさんの往来があります。
崇史さんのスマートに「こんにちは」と声をかけるタイミングが絶妙です。

ジムの帰りに必ず寄るという常連客にレシピを伝える

 色鮮やかなワゴンに興味を示すお客さま

「安くて、美味しくて、安心だから必ず寄るの」というスポーツジム帰りの女性や、
「急ぐので巻きで取材して(笑)。私は自宅の鉢植で年間収穫量10個。ここにいろいろ聞きに来るのさ」という男性のお客さまなど常連客がいることも分かりました。
「体に良いのでまず朝起きて白湯に入れて飲んでいます。」という本多さんは写真OK。

「朝は絞って白湯に入れて、日中はソーダ割りかしら」と健康志向の本多さん

産地の松戸が電車で約50分。鮮度が高く、生産者の顔が見えて安心!と、目の肥えた都会の消費者に受け入れられているようです。
毎週土曜日10:00~14:00に開催中。
会場:東京都港区赤坂1-12-32アークヒルズ アーク・カラヤン広場
東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩1分、銀座線「溜池山王駅」13番出口より徒歩1分
 都市農業と地域貢献への取り組み

 自宅納屋を改造した敏弘さんの書斎兼応接室

「私が子供の頃は父は稲作をしていました。
その後、新松戸は宅地化が進み、田も畑も無くなり、私の代になり温室で蘭を栽培したり、ブロッコリー、そら豆、トマトを栽培していたこともあります。
父(亘さん)も高齢となり、父から私、息子の代へ農地を守っていくため、都市農業の課題に取り組んでいます。
息子が後を継いでくれることになり、これからは息子の時代だと思っています。」

 

 パソコンには都市農業振興基本法、都市農業振興基本計画、生産緑地といった法律関係から温暖化に関する資料が整理されていました。一方で、チューハイ市場、カクテルに関する資料も。

ジン、ウオッカで割るカクテル

「農業のことだけ考えていてはだめだと思います。
例えば新松戸のイベントで美味しいカクテルを提供していますが、街の賑いといいますか、話題性に一役買ってみたいからです。

直売所のある松戸に足を運んでもらいたい。
レモン畑が景観や社会資本としてイメージアップに貢献できないかと考えています。」

崇史さんの話し方は穏やかな中にも明快です。
「父さん、たくさんの人に足を運んでもらうことは分かったけど、そもそもこの店を広く知らせるため、SNSを利用した発信も必要なんじゃないかな。

例えばキウイフルーツは、消費者自体が食べ頃を判断するようになってきたけど、オレンジ類の好みの食べごろを知ってもらえたら‥。そんな発信もする必要があると思うのだけど。」

オレンジ類は収穫後しばらくすると酸味が抜けて隠れていた糖度(本来の甘み)が出てくるそうです。
崇史さんは追熟(ついじゅく)という言葉を、文系の記者にも分かりやすく説明してくださいました。

「作物の病気や耐寒性など知識はまだまだです。
逆に、店頭での対面販売は全く苦になりません。
父や叔父にはない自分の役割があるのではと考えています。
共働きの妻は別の仕事をしていますので、レモン入りのサラダを私が作り、家でもレモンを広めています(笑)。」


 新松戸カクテル
敏弘さんが話していただいたカクテルがどうしても飲みたくなりました。
鵜殿さんのレモンと外国産のものを持参して馴染みの「バー・ドルチェ」

新松戸に開業して13年。新松戸駅徒歩5分

果汁を比較。外国産はビリビリとただ酸っぱいだけ

マスターの登丸正紀(とまる まさのり)さんによると普段は外国産のレモンを使用。
「ブラシを使った丁寧な皮の洗浄」と「果汁を絞る力は軽め」に注意を払っているそうです。

ウォッカ、レモン果汁を炭酸で割る

鵜殿さんのレシピを確認するマスター・登丸さん

登丸さん「(レシピを見て)普通はこの半分しか果汁を入れません。鵜殿さんのレモンならではですね。」
(同行の妻)
「美味しい~。レモンの味が濃いのにまろやか、そしてスッキリ、爽やか」

オリジナルカクテル。ジンベースの「新松戸レディ」

サトウキビシロップとワインの「新松戸レモネード」

特別に作っていただいたオリジナルカクテルは、鼻に抜けるレモンの香り、マイルドな酸味。
美味しいレモンのおかげで幸せな気分になりました。(※オリジナルカクテルについてはマスター・登丸さんに直接お尋ねください。)
バー・ドルチェ 松戸市新松戸4-26 ハートビル1F

松戸産レモンの爽やかさ
取材を通してレモンだけでなく鵜殿家の皆さんにも興味が湧きました。
父・敏弘さんの時に熱のこもった取材対応。それを優しく解説してくださる息子の崇史さん。
優しいまなざしで見る母・優子さん、叔父の芳行さん。

敏弘さん「レモン畑の斜面は下に冷たい空気がたまります。」しかし、ここ直売所の空気は暖かく感じました。

目まぐるしく変わる経営環境、都市化への対応、自然環境との調和。
普通のサラリーマンである市民記者の目には大変そうに映り、ちょっと酸味が強そうに感じました。
そんな中で生産されている松戸産レモンに感じた爽やかさは、愛情を持ってレモンを育てている、鵜殿家三家族の皆さんの穏やかな、優しい人柄のように暖かく感じました。

2018年12月29日撮影

直売所の営業時間

柑橘類直売所「MONPE」
[住 所] 松戸市新松戸6-16
[連絡先] udono1845@gmail.com

この記事を書いたライター(市民記者) 千葉 淳

「人生は旅」、学校卒業後、松戸市民から転勤族に。東北勤務時代に家族と「おくの細道」をたどるサイクリングを始めました。平成26年春、転勤で帰郷。これからは”松戸芭蕉”となり旅人の目から見た「松戸」を伝えていきます。