松戸まつど
ライフプロモーション
素敵な発見!2021年3月19日

インターネット囲碁の草分けは、松戸の囲碁サロン

今回の取材は、コロナ禍の中、何か自宅でも楽しめるものがないか、そしてかねがね囲碁の棋力を伸ばしたいと感じていた市民記者である私が、松戸駅近くの碁会所「GO-NET囲碁サロン」にたどり着いたことがきっかけでした。
月例のリーグ戦などに参加しながらこのサロンの歴史を知ったのですが、なんと、世界のインターネット囲碁の草分けがここ「GO-NET囲碁サロン」だったということが分かりました。

今やIT時代。スマホ、タブレット、PC等のハイテク製品やYoutube、Lineなどを通じて、囲碁の世界でも遠方の方達とオンラインで交流できる時代となりました。その草分けが松戸にあったということで、その歴史・経緯について詳しく取材してみました。

GO-NETの誕生

今から33年前、昭和の終わり、昭和63年(1988年)のことです。囲碁界で世界最初のいわゆる“ネット碁”が誕生しました。
松戸市本町の囲碁サロンを運営する株式会社アイシステム社長・蒲原久博氏がソニーと協力して、NTTのパソコン通信による通信囲碁対局を始めたのです。まだインターネットが日本で普及していない時代です。それが、ソニー製のMSX(8ビット、16ビットのパソコン)を利用した「囲碁倶楽部」です。
「囲碁倶楽部」は「GO-NET」という名称で全国に広がり、急速に囲碁界の利用者が増えていきました。世界でも初めての事でした。その後、インターネットが普及し、「GO-NET」もインターネットで対局できるように改良されていきました。

GO-NETでの対局の様子

GO-NET 初期画面

囲碁界で2度も七冠王になった井山裕太棋聖(寄稿時 31歳)は、7歳の時(平成8年3月)石井邦生9段に弟子入りしました。そして各種のリーグ戦などに参加していました。

入門したころの井山少年

師匠である石井邦生棋士(以後、記事中の棋士の敬称を省略させていただきます)に勧められ、井山裕太はその年から「GO-NET」を始めました。通信対局は対戦相手と顔を合わせることもなく、24時間いつでも対局に集中できたからです。

GO-NETで育った棋士たち

師の石井邦生は、自宅と井山宅に「GO-NET」の機器を設置し、井山少年を鍛えていきました。師との通信対局による指導は700局近くに及び、他のアマチュア会員との対局を含めると「GO-NET」での対局数は1,000局を超えました。

GO-NET関西のつどい(平成10年)

10歳の井山少年

GO-NET関西のつどい(平成15年)

井山少年と蒲原席亭

「GO-NET」では当時、相撲の番付表を模してネット囲碁の番付表を作成、井山裕太は西前頭4枚目、とあります。
この番付表は囲碁界の新聞「週刊碁」に掲載されたものです。番付表には「GO-NET」出身の棋士として、安斉伸彰・加藤祐樹・川田晃平・向井三姉妹などの名も見受けられます。

「GO-NET 本場所」番付表(平成12年・初場所)

井山裕太の天賦の才は「GO-NET」を契機に名伯楽・石井邦生の指導によって開花し、棋力を伸ばし、小学校6年の時に最年少(12歳10ヶ月)の棋士として初入段を果たし、プロとしてデビューしました。その後、数々のタイトルを獲得。今や囲碁界のトップ棋士になったのです。

囲碁教室

「GO-NET」囲碁サロンでは、初心者や子どもたちの指導コーナーも設け、やさしく教えています。

蒲原席亭(右)、井川さん(左奥)に教わる子供たち(2016年頃撮影)

この歴史あるサロンでたくさんの少年少女たちが学んで来ました。将来この教室から、井山裕太に続くような棋士が誕生することを願っています。

運営先  GO-NET 囲碁サロン(株式会社アイシステム)
松戸市本町17-11 芹澤ビル5階 047-362-1077

指導碁、初心者教室、子供教室など
15年以上の実績あり

〈初心者コーナー指導者〉
席亭 蒲原久博(アマ7段)
原田 義(アマ7段)
井川美恵子(アマ4段)

初心者指導などをされている井川美恵子さんにお話を伺いました。
井川さん「囲碁サロンにいらっしゃるのは当然、松戸市内の方が多く、我孫子、柏、三郷、金町などからも参加しています。
対局中は当然、無言ですので私的な会話はほとんど無く、皆さん紳士的で人柄も温厚、下位の方と対局する場合もとても親切です。通常時には、局後に和気あいあいと対局について検討しあっています。
子供教室・初心者コーナーも拡充しましたので、気兼ねなく始めることができますよ」

棋力に応じた相手と24時間いつでも安全に対局できるインターネット囲碁。みなさんも楽しんでみてはいかがですか?早くコロナ禍が収束し、気兼ねなく碁会所に足を運べるようになるといいですね。
◇◇◇
参考文献:「名伯楽が振り返る 私と井山、師弟の歩み」石井邦生著(日本棋院)

過去の記事は、こちらのリンクからご覧いただけます。
廣瀬 亘

廣瀬 亘 (ひろせ わたる)

東京浅草生まれ。松戸在住47年。趣味は歩くこと・ラジオ体操・短歌・囲碁・LINE・Facebook。広報まつどを見て、歩く催しやまつど生涯学習大学講座に参加。知り得たホットな穴場や文化活動や若い人たちの活動を中心に紹介しています。

ページトップ