松戸まつど
ライフプロモーション

アートとコミュニティの拠点として進化し続ける築100年の古民家

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築100年超の建物『古民家スタジオ 旧・原田米店』

第1回「まつど やさしい暮らし会議」では「古いモノが残っている」「おもしろい人がいる」など…新旧入り混じった文化に注目している意見が多く挙がりました。そのイメージを形にしたような建物『古民家スタジオ 旧・原田米店』をご紹介します。

数年前まで老舗米屋として長年使われていた築100年超の建物『古民家スタジオ 旧・原田米店』は、柱や梁(はり)、瓦にいたるまで、歴史を感じる重厚な古民家。さらに門をくぐると中庭があり、奥には大正と昭和の時代に建てられた2つの家屋があり、一歩中に入るとそこだけタイムスリップしたかのような不思議な空間になっています。この『古民家スタジオ 旧・原田米店』の表側には観光案内所「松戸探検隊ひみつ堂」があり、松戸を訪れた人々を温かく迎えてくれます。建物の各部屋は現在9組のアーティストやクリエイターがアトリエとして利用しており、入居者同士で助け合い、刺激し合いながら作品づくりに励んでいます。今回はこの物件を管理する「株式会社まちづクリエイティブ」のMAD Cityプロジェクトが年に数回開催している、入居者の交流会をレポートします。

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家屋で催される交流会には、新進気鋭のアーティストが集う

暖かな春の日差しが気持ちよい土曜の午後、『古民家スタジオ 旧・原田米店』中庭で手作り料理やお菓子などを持ち寄っての交流会がスタートしました。この交流会には、いろいろなイベントに関わった人や入居者の友人なども参加しています。

0035飲み物を片手に歓談が進む中、奥の建物で作業をしていたのは建築家の森純平さん。「一から立ち上げた『松戸アートラインプロジェクト』に関わったのが、この古民家との出会いです。周りにクリエイターがいるのでアドバイスしあいながら制作活動ができるうえ、この空間が気に入ったのでものづくりの場にすることを決意しました。街の人たちにも開放されているので、いろいろな人と交流できて面白いですよ」。

0045建物の一角に増設されたアトリエを使っているのが、松岡マサタカさん。カラフルな癒しキャラを描くイラストレーターさんです。「アートラインプロジェクトのイベントを見に来た時に初めて『古民家スタジオ 旧・原田米店』を見て、“松戸にもこんなところがあったのか!”と衝撃を受けました。ガレージっぽいアトリエに憧れていたので……入居者同士の交流もいいなと思いました」。手作りアートもできるアトリエはまるで秘密基地のよう。

0055デザイナー・アニメーションクリエイターの安藤早織さんは、2階の納戸を人形やぬいぐるみの撮影などに使っています。「アニメのコマ撮りは1ミリでもずれたらダメなので、風も日光も入らない所で撮影します。極寒激暑なんですが(笑)。民族学や歴史が好きなので、この雰囲気が気に入っています。松戸の歴史も知ることができて街そのものに興味が湧いてきました」。松戸アートラインプロジェクト2011・2012のイベントにも参加するなど、地域の人とのかかわりも大切にしているそうです。

0064建物を飾る旗などを制作した、クリエイターの小川綾子さんは、MAD Cityプロジェクトのイベント参加をきっかけに、この『古民家スタジオ 旧・原田米店』に顔を出すようになりました。「会社を辞めて建築の勉強をしていた時に、こういう“街と人のつながり方”があることを学びました。枠にとらわれず、いろいろなことに挑戦してみようかなと。組織にしばられない生き方をしたい、それが自分には合っていると思うんです」。今は週2~3回の会社勤めの他に、ここで知り合った仲間との活動に取り組んでいます。

0073前述の「株式会社まちづクリエイティブ」とは、地域の人々と市外からの移住者を結びつけて、新しいコミュニティづくりをしている会社。『旧・原田米店』をオーナーさんから預かり、貸し出す「MAD City不動産」というちょっと変わった不動産サービスも運営しているんです。その代表者である寺井元一さんに、松戸という街にかける想いをうかがいました。

「“住んで・仕事もできるいい街”はどこかにないかと探したけど、なかなか見つからなかったので、もうこれは自分でつくろうかなと思ったんです(笑)。そこで中央線沿線や下町の方とか、いろんな街を調査してみたのですが、どこも受け入れられる気がしなかった。その矢先、「松戸」という街に出会いました。初めは苦労したのですが、なぜか惹かれるんです……街の人たちがやさしいのですかね。それから、なぜ不動産なのかというと、『まちづくり』を実現するためには人が集まる拠点が必要だと思ったから。もっと入居者の方やいろいろなアーティストの方々と、遊びも仕事も一緒にやりたいですね!」。

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仲良く暮らせて、楽しく働ける街。松戸がそんな街になる日は遠くないのかもしれません。

松戸アートラインプロジェクトから始まった、アートとまちづくりの実験的プロジェクト「暮らしの芸術都市」はこちら。

古民家・旧原田米店の中庭を利用して2カ月に1回開催している「おこめのいえ手創り市(公式サイト)」、Facebook「おこめのいえ手創り市」「twitter(@comeichi2014)」はこちら。

古民家・旧原田米店の一角を利用して、松戸の歴史や見どころ・食事処などの観光案内をしてくれる「松戸探検隊ひみつ堂」はこちら。

事務局

事務局 (じむきょく)

「やさしい暮らし」について、みんなで考える。ちょっと変わったラボです。「研究対象」は、まつどの街。まつどと関わりのあるいろいろな人が、いっしょになって、街のあちこちにかくれている”まつどらしいやさしさ”を世の中に共有していきます。

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