松戸まつど
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文化・イベント・芸術 2014年10月27日

感謝の気持ちを灯りに託して「松戸宿 坂川献灯まつり」

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松戸が宿場町だったのをご存知ですか?江戸時代、現在の松戸駅の南側から江戸川までの一帯は水運と宿場で栄えた「松戸宿」でした。ここでは毎年夏になると、松龍寺境内の「すくも塚観音」の縁日「四萬六千日」に「とうもろこし市」が立ち、多くの人で賑わっていたそうです。

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松龍寺の前を流れるのは、清流が復活し、しっとりと趣きのある坂川。その坂川にかかる春雨橋からレンガ橋までの沿道と松龍寺などの川沿いを舞台に、毎年8月9日・10日の2日間、「松戸宿坂川献灯まつり」が開催されています。
このおまつりは、宿場町だった往時の賑わいや松戸ならではの歴史や伝統を伝え、自然の恵みや坂川を開いた先人たちに感謝の気持ちを表そうと、地元の人々が中心となって開催。住民の皆さんによる昔ながらの手づくりのおまつりが、どこか懐かしい縁日の風情を醸し出しています。

昔のあそびはシンプルだけど難しい。だから夢中に!

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松先稲荷のあたりでは、「むかしの遊び/三丁目の夕日屋」と題して、昔のあそびを体験することができます。「こま回し」や「けん玉」、「竹がえし」など、昔ながらのおもちゃや遊びは、まるで昭和にタイムスリップしたよう。
実際に体験してみると、シンプルでありながらも意外と難しく、コツをつかもうと大人も子どももついつい夢中に。スタッフの皆さんの手さばきを見ているだけでも楽しいですよ。

元気な学生ボランティアの皆さんがお手伝い

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まつり会場では、灯篭の販売や昔のあそびの紹介、会場アナウンス、ごみの収集など、あちらこちらで高校生や大学生の皆さんがボランティアとして協力し、スタッフのお手伝いをしてくれています。笑顔で元気に声をかけながら活動する姿は、とても微笑ましいですね。より楽しめる空間と時間を作ってくれている学生の皆さんに感謝!

地元の皆さんが手焼きする、焼きとうもろこしは甘くて格別

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0067松龍寺前の参道では、江戸時代から今なお続く、夏の名物行事「とうもろこし市」が開かれます。あたりには香ばしい香りが広がり、焼きとうもろこしを買い求めるお客さんで、ひときわ長い行列ができています。暑い中、地元の人たちが1本1本、炭火で一生懸命に手焼きする焼きたてのとうもろこしは、とっても甘くて美味しいと大好評。

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0086屋台の周囲では、アツアツのとうもろこしを大人も子どもも美味しそうにほおばっています。2日間で、約5,000本ものとうもろこしが販売されるそうです(売り切れ次第終了)。
坂川沿いの沿道や松龍寺の参道には、町会や地元の商店・関係団体などの「縁日屋台」がズラリと並びます。焼きそば・フランクフルト・コロッケ・かき氷・きゅうり漬け・光るおもちゃなどなど。屋台の人たちの活気ある声に、たくさんの人が立ち止まって、食べたり、飲んだり、話したり。かなりの賑わいをみせていて、みなさん笑顔でとても楽しそうでした。

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さまざまな献灯が、ほんのりと会場を照らす

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陽が落ちてくると、会場のあちらこちらにさまざまな献灯が灯ります。坂川の沿道には、地域の子どもたちが描いた「献灯箱あんどん」が設置され、散策する人々を照らしています。夢いっぱいで、とってもカワイイですね。

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012松龍寺では、このまつりの由来でもある観音様のご縁日として「四萬六千日献灯」が行われ、竹あんどんが境内を飾ります。
この竹あんどんは、最後の水戸藩主だった徳川昭武の屋敷・戸定邸が建つ「戸定が丘歴史公園」の竹を使って、戸定歴史館の制作ワークショップに参加した皆さんが作ったもの。描かれたイラストにも愛らしい風情を感じます。
おまつりの賑やかさと一線を画した幻想的な風景は、思わず息を飲むほど。多くの方が、静かな境内の中でカメラを手にシャッターを切っていました。
地元の企業や商店の皆さんが提供する「献灯提灯(ちょうちん)」、五穀豊穣や商売繁盛・技芸上達を松先稲荷に祈願する「ろうそく献灯」も行われ、会場全体がさまざまな灯りに照らされます。

川面にゆらめく灯篭の灯りは、ずっと見つめていたくなる光景

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坂川で行われる「とうろう流し」も献灯のひとつです。
まつり会場のあちらこちらで販売されている、地元長寿会の有志の皆さんが用意した「おばあちゃんの夢灯篭」を1灯500円で購入。自分で思い思いに色をつけたり、お願いごとを書いたりして、角町のレンガ橋(めがね橋)近くに設けられた桟橋から流します。

014「ちゃんと流れるかなぁ?」
少しドキドキしながら、そっと川に流す子どもたち。
坂川にかかる橋の上や川沿いでは、
「私の灯篭どこ行ったかな?」
「あそこに流れているの、そうじゃない?」
と、自分の灯篭の行方を見守る人も。
灯篭はゆっくりと春雨橋の方へと流れていき、特設ステージがある「坂川ひろば」の前に集まります。川面にゆらめく光を浮かび上がらせながら灯篭が流れていくさまは、ほんとうに幻想的で、ずっと見つめていたくなる光景。
みんなが流した大切な灯篭は丁寧に回収され、後日、松龍寺境内でお焚き上げが行われます。

献灯提灯が飾られた幻想的な特設ステージ

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「坂川ひろば」と呼ばれる、流した灯篭が集まってくる場所には、献灯提灯が飾られた特設ステージが設置されています。
ここでは、松戸にゆかりのある人や松戸を中心に活躍している歌手・アーティストの演奏をはじめ、和太鼓やパフォーマンスなどさまざまなグループの皆さんが、自慢の腕を披露。川面を流れる風と、提灯やゆらめく灯篭の灯りが作り出す幻想的な風景の中、たくさんの人たちが、生演奏に癒やされたり、迫力ある音やパフォーマンスに興奮したり、思い思いに楽しんでいました。

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その他、子どもたちが坂川をカヌーで下る「カヌー乗船体験」や、ゆかたの着こなし上手を決める「ゆかた de 坂川めぐり」、献灯まつりの風情を詠んだ「短歌・俳句・川柳コンテスト」なども行われ、イベントがいっぱい詰まった2日間となっています。

2014年のおまつりのチラシには、「昔の人々も夏の同じ日に感謝の気持ちを込めて献灯をしたことに思いを巡らせて頂ければ…」と書かれていました。
来年も、そしてきっとその翌年も。8月9日・10日には、坂川献灯まつりが開催されます。夏の夕涼みのひととき、皆さんも思いを巡らせながら、再発見をしてみてはいかがでしょうか。

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そして、夏だけではありません。春には「松戸宿坂川河津桜まつり」、秋には「松戸神社の大祭」。催し物の他にも、老舗の呉服店や提灯やさんに和菓子やさん、寺社、かつての米蔵を利用した観光案内所など、旧松戸宿には歴史や風情を今に受け継ぐスポットがいっぱいあります。
坂川周辺をゆっくりとお散歩しながら、松戸の原風景ともいえる水辺の風情や受け継がれた伝統、そして地元の皆さんとの心のふれあいを楽しんでみたいですね。

「松戸宿坂川献灯まつりの公式ホームページ」で詳しい情報をチェック。

旧松戸宿周辺のお散歩におすすめな情報
松戸の観光情報松戸宿案内マップ(松戸探検隊ひみつ堂)
松戸宿の理解を深められる、松戸宿へようこそ
水とみどりと歴史の回廊マップ(松戸地区)~歴史・Part1~~歴史・Part2~
国重要文化財指定の徳川慶喜の弟・昭武の邸宅と美しい庭園~戸定邸・戸定歴史館

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事務局 (じむきょく)

「やさしい暮らし」について、みんなで考える。ちょっと変わったラボです。「研究対象」は、まつどの街。まつどと関わりのあるいろいろな人が、いっしょになって、街のあちこちにかくれている”まつどらしいやさしさ”を世の中に共有していきます。

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